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県内最少人口 1254人の上野村 移住者2割超 雇用創出や生活補給など支援奏功

7/27(木) 6:02配信

上毛新聞

 群馬県内自治体で最も人口が少ない上野村に、都会からの移住者(Iターン)が増えている。昨年末時点の村調査で、Iターン者は村人口の2割超に当たる260人に達し、さらに増加傾向にある。比較的安定した財政を背景に、Iターン者への生活支援策や雇用の場づくりが奏功した形。厳しい人口減少の現実を受け入れながら、村は持続可能な社会づくりを模索する。

◎脱過疎へ「持続可能な地域づくり」

 職員の半数以上をIターン者が占める村森林組合(同村川和)。東京都出身の鳥沢稔之さん(43)はヘルメット姿で汗を流している。「移住者の先輩も多く、なじみやすい。3人の子どもは、学校で一人一人をしっかり面倒見てくれており、安心して暮らせる」と満足そうだ。

 群馬県の南端に位置し、山深い上野村。若者が働き口を求めて流出し、ピーク時の1955年で4800人を超えた人口は7月1日現在、1254人(住民基本台帳ベース)と4分の1程度まで減った。

 深刻な過疎を打開しようと、外部からの定住施策に本腰を入れたのはおよそ30年ほど前だ。現在まで移住者への生活補給金や第3子以降の子どもへの特別養育手当5万円(所得制限あり)、18歳までの医療費無料、学校給食費の免除といった施策を打ち出している。最近は、村出資の合同会社「ゆーぱる上野」を2015年に設立するなど、林業関係を中心に30人程度の雇用を生み出している。

 効果は徐々にIターン者数に表れ、2005年末で人口比9%の約140人、10年末には13%の約190人と右肩上がりに増えた。合わせて村出身者のUターンにも力を入れ、大学などを卒業後に村に戻り、働いた期間に応じて奨学金の返済を免除する優遇制度を実施。現在6人が適用を受け、村内で働いている。

 県内の自治体数が半減した「平成の大合併」で単独の道を選んだが、施策の背景にあるのは、村の年間予算に匹敵した東京電力神流川発電所(05年12月稼働)からの安定した固定資産税収入があった。

 村は年間3世帯(9人)転入の数値目標を掲げ、年齢バランスを意識した持続可能な社会の創出を目指している。

 黒沢八郎村長は「若者には将来の展望を、高齢者には安心を与えることを重視して定住を促し、持続可能な地域づくりに努めたい」と話している。

 上野村について、移住相談などに携わるふるさと回帰支援センター(東京・有楽町)は「森林活用など地域の魅力を生かした移住政策に村を挙げて取り組んでいる。移住した人たちが魅力的な暮らしぶりを外に向けて情報発信するといった動きもある。相乗効果が生まれているのではないか」としている。

最終更新:7/27(木) 6:02
上毛新聞