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揺れる“ビットコイン” 新ルール導入で脆弱さ露呈、分裂回避も くすぶるリスク

7/27(木) 16:00配信

日刊工業新聞電子版

■新システムでドタバタ劇、管理主体なし

 仮想通貨「ビットコイン」の運用が揺れている。取引量の増加に伴うシステムのルール変更で23日、一部の取引所が取引停止を余儀なくされた。翌日以降停止措置は解除され、ひとまず大きな混乱は回避できたが、今後も安定した取引ができないリスクがくすぶる。

 発端はビットコインのシステム運用者が、8月1日に新ルールを導入すると宣言したことだ。取引量が急増していることに伴い、処理速度を上げるための新ルールを提示した。これに対し取引を承認する「マイナー」と呼ばれる業者が反発。新ルールが導入されるとマイナーの報酬が減るためで、新旧両ルールが併存し分岐する恐れが出てきた。

 これに対し、13の取引所が加盟する日本仮想通貨事業者協会(JCBA、東京都千代田区)は18日、顧客資産を保護するために、分岐が起きる8月1日の前に取引を一時的に停止する措置が必要だと発表した。

 しかし一部のルールが前倒しで変更され、フィスコ仮想通貨取引所や東京ビットコイン取引所などが23日に取引停止に踏み切った。24日以降、ルール変更に伴う分岐が発生しなかったとして停止を解除、大事には至らなかった。

 だがJCBAは8月1日に分岐が起こる可能性がまだあり、取引の記録が支障なく行える確信が得られるまで停止する場合があるという。再開時期は未定だ。

 一方で関係者の間では「運用者とマイナー業者間の妥協点が見いだされつつあり8月1日問題は解消する可能性が高い」との観測も出ている。8月を乗り越えても、再び再燃する可能性を指摘する向きもある。

 一連の騒動はビットコインが、通常の通貨のように政府や中央銀行といった管理主体がないという特徴からきている。国際通貨研究所の志波和幸主任研究員は「主体が存在しないと、システム的な問題が発生した場合の合意形成が困難になるという脆弱さを露呈した」と指摘する。ビットコインは買い物などで利用シーンが拡大している。だが、安定した取引を保証できないと一層の拡大は難しそうだ。