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一般公開された新幹線の塗装工場、みんなが驚いたこと

7/27(木) 10:33配信

ニュースイッチ

自慢のロボットで作業時間は5分の1に短縮。人と協調

 JR東海浜松工場(浜松市)で、東海道新幹線の整備を一般公開する「なるほど発見デー」が開催された。今年1月に浜松工場のリニューアル後、初の開催で約1万2000人が来場。整備用の新型ロボットが初めて公開されたほか、線路や架線を検査する「ドクターイエロー」と呼ばれる車両の見学会などが行われ、子どもたちの人気を呼んでいた。

 イベントでは、定期検査で新幹線の先頭車両を再塗装する際、塗装しやすいよう表面をざらざらにする作業ロボットが公開された。新幹線で初めて導入されたもので、6本のアームで自動で行う。先頭車両は形状が複雑で作業が難しいが、ロボットの導入で作業時間は5分の1に短縮された。

 JR東海発足30周年を記念した特別イベントでは、ドクターイエローの運転台で新幹線の現役運転士と一緒に仕事を体験できるコーナーが設けられた。愛知県春日井市の岡部航大ちゃん(3)は「ドクターイエローが見られて良かった」と笑顔だった。

 日本の交通の大動脈である東海道新幹線。時刻表通りの正確な運行を支えるのが、車両の適切な保守作業だ。浜松工場は東海道新幹線の車両を検査・修繕する唯一の工場。

 JR東海は耐震化と検査ラインの効率化のため、2010年に大規模改修工事を始めた。従来のラインは車両の流れが複雑で、作業性の向上に限界があった。

 新しいラインでは建物の配置を見直し、一筆書きの流れの効率的なラインが完成した。

 修繕作業を自動化で効率化したことも特徴だ。一つが先頭車両の研ぎ作業へのロボットの導入だ。塗装前に塗料の密着性を高めるため、表面を粗くする作業で、従来は2人が3時間20分かけていた。6本のアームのロボットでは40分で済む。

 塗装作業にもロボットを導入した。環境負荷低減のため、油性塗料から水性塗料に移行。自動化で水性塗料の難点である温・湿度管理をクリアした。

 研ぎロボットは均一に作業でき、品質向上へ利点がある。自動化で技能伝承が難しくなる恐れについても、すべて機械が行うのではなく、仕上がりは人が判断し、技能を引き継ぐ考えだ。

 各工程の作業環境も見直した。車体と台車を切り離す車体上げ作業では、天井クレーンからリフティングジャッキに手法を変更。作業者の適切な高さに調整できるため、作業効率や安全性が高まる。

 こうした改善の積み重ねもあり、検査・修繕の日数は、従来の15日から1日短縮。新幹線の輸送体制のさらなる向上につながるだろう。

最終更新:7/27(木) 10:33
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