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<高校野球>花咲徳栄3連覇 聖望に学び革新、得た破壊力で甲子園へ

7/27(木) 22:45配信

埼玉新聞

 第99回全国高校野球選手権埼玉大会は27日、県営大宮球場で決勝を行い、花咲徳栄が浦和学院を5―2で退け、3年連続5度目の栄冠に輝いた。

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 花咲徳栄は五回1死満塁とし、3連続押し出し四死球で3点を加えた。さらに、綱脇の遊ゴロの間に4点目を奪った。六回には暴投で追加点。投げては先発綱脇が6回2失点とし、七回からはプロ注目の清水がリリーフし5奪三振で逃げ切った。

 優勝した花咲徳栄は全国大会(8月7~21日・甲子園)に出場。埼玉県勢初の真紅の大優勝旗を目指す。

花咲徳栄
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浦和学院

■変革成し遂げ、得た“破壊力”

 「変革」。

 花咲徳栄の岩井監督が掲げたチームのテーマだ。「毎年、同じことをやっていても埼玉は勝ち上がれない。常に新しいことに挑戦しないといけない」と岩井監督は言う。一県一代表制では史上初の3連覇。秋春王者の浦和学院を下し、快挙を成し遂げた今チームには“破壊力”との代名詞が良く似合う。

 花咲徳栄が信条とするのは緻密な野球。1点を守り、1点を粘り取る。それが花咲徳栄の野球だ。

 だが、4季連続の甲子園出場が懸かった秋季関東大会1回戦。慶応(神奈川)との戦いで、よもやの大敗を味わうことになる。12安打2本塁打を浴びて9失点。打線は散発4安打で1得点のみと七回コールドで敗れた。

 「全国で勝つためには一発で流れを変えられるような破壊力が必要」と岩井監督。「埼玉で勝つ」のではなく「甲子園で勝つ」ために打撃力の向上が明確な課題として見えてきた。センバツ出場も絶望的となり、敗戦から迎えた“長い冬”。チームは新たな練習を取り入れた。

 重さ10~15キロのハンマーでタイヤをたたく。高校野球好きなら記憶にあるかもしれない。この練習は聖望学園が行っているもので、“ハンマー打線”と名付けられた強力打線は昨夏、準優勝まで勝ち上がった。岩井監督は「打力を強化しようと思った時にふと思い出したんだよ。あの打線は恐ろしかったからね」。聖望学園と決勝で戦い、勝利は収めたものの、強力打線の迫力が強く印象に残っていたと言う。冬の期間、好敵手からヒントを得たこの練習を取り入れ、多い日で50回を10セット行った。今大会で4本塁打している西川も「腕がパンパンになるぐらいきつかった」と話す。

 その効果は春に“強打の花咲徳栄”として存在感を放ち始める。春季県、地区大会計7試合でチーム打率3割7分7厘をマーク。本塁打は5番須永が2本、4番野村は4本を放った。集大成の今夏は決勝まで4割を超える打率を記録した。

 伝統とする緻密な野球はもちろん、その上に一発で試合の流れを引き寄せる長打を放てる打者が並ぶ今チーム。「全国で勝つため」(岩井監督)に変革を遂げたチームが、誰も成し遂げられなかった3連覇という計り知れない重圧をもはねのけた。主将の千丸は「156チームの思いを背負って全力でプレーしてきたい」と涙を浮かべて喜びをかみしめた。

最終更新:7/28(金) 0:04
埼玉新聞