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【特集】映画「軍艦島」公開 日韓関係の新たな火種に?

7/27(木) 15:00配信

毎日放送

2年前に世界文化遺産に登録された軍艦島。いまでは年間20万人の観光客が訪れます。ところがいま、この軍艦島が日韓関係に影を落とし始めています。26日、韓国で映画「軍艦島」が公開されました。戦前、朝鮮半島から連れてこられた「徴用工」が島で過酷な労働を強いられた末に団結するというストーリー。ところが島の元住民はそんな事実はなかったと反論します。韓国では徴用工の銅像を設置する動きも出ています。なぜいま、徴用工をめぐる動きが活発化しているのか?その背景にあったのは皮肉にも世界文化遺産登録でした。

なぜいま?映画「軍艦島」公開

7月26日、韓国で公開された映画「軍艦島」。戦前、朝鮮半島から長崎県の軍艦島にだまされて連れてこられた「徴用工」が島で過酷な労働を強いられた末に団結して脱出するというストーリーです。軍艦島をテーマにした作品は映画だけではありません。ソウル市内の書店をのぞいてみると…

「ありました。『恥ずかしい世界遺産、軍艦島』。かなり刺激的なタイトルがついています」(辻憲太郎解説委員)

中を見てみると、軍艦島で韓国人の徴用工が日本人に暴力を振るわれながら無理やり働かされているシーンが目立ちます。

なぜいま韓国で軍艦島がクローズアップされ始めたのか?そのきっかけは皮肉なことに世界遺産への登録でした。

「世界遺産登録の過程で、韓国側にも配慮するという合意というか妥協をした。韓国側としては提起しにくかった問題を公式に提起できるようになった。攻めやすいポイントになった」(神戸大学国際協力研究科 木村幹教授)

明治時代の日本産業への功績を主張して軍艦島の世界遺産登録を目指していた日本に対し、韓国は「戦時中、朝鮮人が強制徴用された施設がある」と登録に反対。話し合いの末、日本側が歴史を記憶するために適切に対応すると表明し登録が決まった経緯があったのです。

韓国側「加害国と認めさせなければいけない」

その結果、「徴用工」をめぐる動きがいま、韓国内で活発化しています。仁川市にある労働組合が進めている計画は…

「この作品(銅像)の名は『独立の予感』。これは実在していた方、もしくはいまも生きているかもしれない方をモデルにして作っている」(全国民主労働組合 金昌坤本部長)

当時の徴用工の不安な心情を表現したというこの像。実物は高さ1メートル70センチ、幅4メートルで、地元仁川市も協力して市内の公園に8月12日に設置される予定です。

Q.徴用工像の運動の目的は?
「記憶するため、忘れないためです。過去の不幸な歴史もわれわれの歴史ですし、楽しかった歴史もわれわれの歴史じゃないですか。でもこういう不幸な歴史に目を背けると、歴史は繰り返されるものですという警戒心を訴えるために建設を推進しているのです」(全国民主労働組合 金昌坤本部長)

確かに、島で「徴用工」が働いていたのは事実ですが、日韓両政府は1965年に日韓基本条約を結び戦前の賠償は全て終了。徴用工問題も完全に解決しています。ところが…

「時間がかかるとしても、日本が加害国だったという事実を認めさせなければいけないと思います。そして、認めるということは謝るという意味で、もし謝るのであればそれに対する適切な補償や賠償が必ずあるべきだと思います」(全国民主労働組合 金昌坤本部長)

この団体が作ったビデオには、軍艦島で実際に働いていたという元徴用工が証言しています。

「豆かす一握りを与えられたがそれだけでは生きていけないでしょ。栄養失調で手足がしびれ、私はみんなの痛がる声や泣き声を聞いて、こんな残酷なところがあるのかと…」(元徴用工)

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最終更新:8/2(水) 16:24
毎日放送