ここから本文です

米金融当局のバランスシート計画、債務上限問題で狂いも

7/27(木) 8:13配信

Bloomberg

米金融当局は26日、4兆5000億ドル(約500兆円)規模のバランスシートの縮小プロセスを9月に開始する意向を示唆した。だが、その最終決定を当局の裁量だけでは下せない恐れもある。

連邦政府の債務上限引き上げの期限が迫る中、米国債を中心とした金融市場に大きな動揺をもたらした場合、金融当局の計画が複雑なものとなる可能性があるためだ。

ライトソンICAPのチーフエコノミスト、ルー・クランドール氏はバランスシート縮小始動の時期について、「9月となる公算が最も大きいが、債務上限問題が非常に面倒な様相となれば、金融当局が11月まで待つという見方も排除できない」と語った。

トランプ政権は9月いっぱいまで政府の資金繰りのための手段があるとしているが、それ以降は連邦政府のデフォルト(債務不履行)回避のためには議会による債務上限の引き上げが必要となりそうだ。ムニューシン米財務長官も26日の上院歳出委員会での証言でこの点を強調した。

米連邦準備制度理事会(FRB)のイエレン議長ら金融当局者は26日に公表した連邦公開市場委員会(FOMC)声明で、米経済がおおむね予想通りの展開となれば、「比較的早期」にバランスシートの縮小に着手する方針を確認。これは9月19、20両日の次回FOMCで縮小プロセスの発表があり、恐らく10月にスタートすることを示唆するものと受け止められた。

金融当局者はFOMC声明でインフレ率の鈍化を認める一方、中期的には2%の目標前後で安定化すると引き続き予想していることを明らかにした。

JPモルガン・チェースの米国担当チーフエコノミスト、マイケル・フェロリ氏は「インフレ率がやがて目標に戻るとのFOMCの自信に大きな崩れは感じられない」と、顧客向けリポートで指摘した。

フェロリ氏は、金融当局が9月にバランスシート縮小計画を打ち出し、12月に利上げすると予想する。トランプ大統領による再指名がなければ、イエレン議長はその2カ月後の来年2月に退任することになる。

マクロポリシー・パースペクティブズ(ニューヨーク)のジュリア・コロナド社長はフェロリ氏が描くバランスシート縮小と次回利上げの日程表に賛意を示しつつも、債務上限引き上げで支障が生じれば、FOMCは債券保有の縮小開始を「11月に先送りする戦術」を取るかもしれないとの見方を示した。

原題:Fed May Not Be Master of Balance-Sheet Fate as Debt Limit Looms(抜粋)

6段落目以降にインフレ動向などを追加して更新します.

Richard Miller

最終更新:7/27(木) 9:11
Bloomberg