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米国抜きの「TPP11」に企業の約○割が必要と回答 業種による違いも

7/28(金) 6:40配信

ZUU online

7月14日、帝国データバンクは「TPP11に関する企業の意識調査」の結果を公表した。1月に米国が離脱を表明し、11カ国での交渉が続くTPP11であるが、企業の5割超がTPP11は「日本に必要」だと考えている事が分かった。ただ、企業の期待値は米国離脱前からは減少しており、業種による温度差も目立つ。

■自社にプラスと考える企業は12.8% 米国離脱で期待値減少

同調査は6月19日~30日かけて行われ、1万45社から有効回答を得た。TPPに関する調査は2015年12月以来の3回目となる。

TPP11が日本にとって必要であるかの問いに対し、企業の51.7%が「必要だと思う」と回答した。TPP11が日本にもたらす影響を好意的に捉える企業は半数を超え、「必要だと思わない」と答えた企業は12.0%に留まった。ただ、TPP大筋合意直後であった前回調査では、「必要だと思う」と答えた企業は64.5%であった事を考えると、米国の離脱で必要性を認識する企業が減少する結果となった。

また、TPP11が自社の業界にとって必要であるかの問いでは、「必要だと思う」と回答した企業は22.5%であった。「必要だと思わない」は32.6%に上り、「必要だと思う」との回答を上回った。しかし、こちらも前回調査に比べ、必要性を認識する業界は減少している。

TPP11が自社に与える影響については、「プラスの影響がある」が12.8%、「マイナスの影響がある」が5.6%という結果となった。「影響はない」と答えた企業は38.9%に上った。前回調査では、「プラスの影響がある」が16.3%、「マイナスの影響がある」が7.3%であり、どちらの比率も減少した事となる。「影響はない」と答えた企業の割合は微増となった。米国の離脱により、TPPの影響力自体が無くなったと考える企業が増えたと見られる。

TPPにおいて、米国は全体のGDPの6割近くを占めていた。米国の離脱が与える影響は非常に大きい。米国の離脱が日本に与える影響については、44.0%の企業が「マイナスの影響がある」と答えた。「プラスの影響がある」は5.0%、「影響はない」は10.8%だ。米国抜きのTPP11に過度な期待は禁物かもしれない。

■業種によっても大きく異なる期待値

TPP11に対する期待値は業界による差も大きい。最も期待値が高い業界は「飲食店」であり、41.9%が「自社にプラスの影響がある」と回答した。「旅館・ホテル」の29.2%がそれに続く。食品関連を中心とした仕入価格の低下や訪日観光客の増加に期待を寄せる。製造関連でも関税引き下げに期待する企業が多く、「飲食料品・飼料製造」の22.3%、「機械製造」の21.9%等、比較的高い数字が並んだ。

一方で、「農・林・水産」では50.9%が「マイナスの影響がある」と回答した。関税引き下げにより、海外から安価な輸入品が流入する事を危惧している。それに次ぐのが「飲食料品卸売」の12.8%である事を考えると、「農・林・水産」に関わる企業がTPP11に大きな懸念を抱いている事が分かる。

TPP11の参加国は7月12日から2日間、神奈川県箱根町で首席交渉間会合を開き、TPPからの修正を最低限にした新しい条約を作る方針を確認した。8月末にも次回会合を開く予定であり、11カ国で協調してTPP11の発効を目指している。

冒頭の調査では、中国やASEAN諸国等が参加する東アジア地域包括的経済連携(RCEP)に期待をする企業が35.8%となる等、TPP以外の通商交渉への期待も高まりつつある。しかし、まだ5割以上の企業がTPP11は日本に必要だと考えているという現実もある。政府にはこうした企業の期待をつなぎ留め、高める為の通商交渉を進めてほしい。(ZUU online編集部)

最終更新:7/28(金) 6:40
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