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稲田氏、沖縄でも数々の反発 米軍の合意違反を黙認 

7/28(金) 6:30配信

琉球新報

 辞任する意向を固めた稲田朋美防衛相は、沖縄の米軍基地問題や沖縄戦を巡る言動でも物議を醸してきた。最近では米軍普天間飛行場の返還を巡り、移設先の沖縄県名護市辺野古の新基地が建設されても、それ以外の七つの返還条件が満たされない場合は普天間は返還されないと明言した。嘉手納基地でのパラシュート降下訓練など、日米合意違反が指摘される米軍の基地運用も黙認してきた。稲田氏の言動は県や基地所在自治体などの反発を呼んだ。


 普天間の返還を巡る発言があったのは6月15日の参院外交防衛委員会。返還条件の一つ「長い滑走路を用いた活動のための緊急時における民間施設の使用の改善」が日米間の協議が整わない場合を質問された。そこで、仮定の話だとした上で「普天間の前提条件であるところが整わなければ、返還とはならない」と明言し、新基地が建設されても普天間が返還されない可能性を指摘した。

 東村と国頭村に広がる米軍北部訓練場での新たなヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設では昨年9月、陸自に大臣命令を出して重機などの資機材を自衛隊ヘリで空輸させた。会見では陸自投入の根拠を防衛省の所掌事務を定めた「防衛省設置法4条19号だ」と主張。記者から自衛隊の活動を定めた自衛隊法6章に該当しないと詰め寄られると、事務方に「自衛隊法の何ページなの」と声を荒らげる場面もあった。

 名護市辺野古の新基地建設では、埋め立て工事に係る岩礁破砕許可を再申請するよう県から求められたが「漁業法等に定める法定手続きを経て、既に漁業権は消滅している」との主張を繰り返して拒否。県が岩礁破砕の差し止め訴訟提起に向けた準備を進めることになった。

 今年1月には、米軍属女性暴行殺人事件を受け、日米地位協定の対象軍属の範囲を明確化する「補足協定」が締結されたことに関し、軍人の取り扱いに変更はないものの「効果は軍人にも及ぶ」と持論を展開した。

 弁護士時代には、沖縄戦で日本軍が「集団自決」(強制集団死)を命じたとする作家・大江健三郎さんの著書の記述を巡り、日本軍現地指揮官らが大江さんらを相手に出版差し止めなどを求めた裁判で、原告側代理人を務めた過去もある。昨年8月の就任会見で、軍命の有無について問われたが「弁護士としての活動であり、大臣としての答えは差し控えたい」と言及を避けた。

琉球新報社

最終更新:7/28(金) 10:28
琉球新報