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登山者の動きスマホで把握 8月、富士山で「山岳道標」実験

7/28(金) 7:35配信

@S[アットエス] by 静岡新聞SBS

 国内の山岳関係団体でつくる「全国山の日協議会」がスマートフォンを用いた「スマート山岳道標」の実証実験を富士山で8月上旬に開始することが27日までに、関係者への取材で分かった。道標を通過する登山者の動向を瞬時に把握し、遭難者らの早期発見と火山防災対策につなげる狙い。全国初の試みで、本県も共催で実験に参加し、得たデータを登山者の避難計画策定に活用する。

 実証実験で用いるのは、県が2016年度に火山防災情報を配信する機能を拡充した、登山届アプリの「コンパス」。同アプリを使用する登山者は、登山ルートに設置したスマート山岳道標ごとに交信を行って、自身の通過記録を残すと同時に、各種情報を受け取る。

 登山者が予定通り道標を通過しない場合、登山届の内容から家族や友人、警察などと連絡を取って遭難の有無を確認できる。遭難した場合は、道標との交信記録から捜索範囲を限定することが可能になる。

 今回の実験でスマート山岳道標は、富士宮ルートの6合目から山頂までに4カ所設置する。

 富士山のほか、浅間山(長野県など)、丹沢(神奈川県)、那須岳(栃木県)でも17年夏山シーズン中から同様の実験を行う計画。同協議会の手塚友恵事務局長(55)は「3、4年間実験を継続し、実用化への具体的な方策を探りたい」と意欲を示す。



 ■静岡県、データ基に避難計画

 県は実証実験のデータなどを基に、富士山噴火時の避難行動をシミュレートし、登山者の避難計画作成を進める方針。県危機管理部の担当者は「平日や休日、時間帯などで異なる登山者の動向が分かれば、避難計画の実効性が高まる」と実験参加の意図を説明する。

 衛星利用測位システム(GPS)の発信器を用いた調査と違い、スマホがあれば誰でも利用できるのが今回システムの強み。情報を双方向でやりとりできることも長所。試験で用いる登山届アプリについて、県は2017年度から対応言語を増やし、外国人登山者への火山防災情報伝達に力を入れている。県の担当者は「登山届アプリの機能がさらに充実すれば、認知度が上がって利用者も増えるはず」と相乗効果を期待する。

静岡新聞社