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ロボットやAIに負けない力って? 子どもの未来を拓くプログラミング教育@沖縄(2)

7/28(金) 9:00配信

琉球新報

 “人工知能(AI)の発達・普及で、今ある仕事の半分が2020年には「消える」「なくなる」―”

 イギリスのオックスフォード大学の研究者が発表した、そんな調査結果を皆さんも耳にしたことがあるのではないでしょうか?

 ロボットやAIの登場などテクノロジーの目覚しい進歩により、一昔前では考えられなかった変化が次々と起き、私たちの経済活動やライフスタイルも大きく変わりました。私たちの暮らしは今後、どのように変わっていくのでしょうか? そして、これからを生きる子どもたちには、どのような力が求められているのでしょうか? 

 前回の「世界が注目! 子どもの未来を拓くプログラミング教育 小学校で必修に」では、海外の多くの国々で、小学校でのプログラミング教育が必修になり、日本でも2020年に必修化されることなどをお伝えしました。今回は、なぜそのような流れが起きているのか背景をお伝えしたいと思います。
 

電話は“一家に一台”から“一人一台”に
 暮らしの身近なところでいえば、例えば「電話」です。一昔前は自宅にある固定電話を使っていましたが、携帯電話が誕生・普及したことで、「家に固定電話がある」という“常識”は一変しました。

 スマートフォンが登場した今では、地図やインターネットの検索はもちろん、勉強のツールやゲーム機として利用できるなど、マルチなデバイスとして多くの人の暮らしを便利なものにしています。電話は「一家に一台」から「一人に一台」へと、その存在や使われ方は大きく変化しました。

 そして今後は、AIのさらなる発達と、環境認識の精度が向上することで、対人サービスでもある家事や介護などの分野にも導入されると言われています。画像認識による人の表情などから、体調管理やそれに合わせた食事の献立の提案、病気の診断など、身近な生活の中でも活躍が期待されています。

 TVや新聞でもよく取り上げられる自動車の自動運転技術は、2017年から沖縄県内各地でも実証実験が開始されています。

 私たちの生活は今後ますますロボットやAIと共存する生活へと一変していくのです。


今ある仕事の半分が
「消える」「なくなる」?
 そのような時代の流れから、プログラマーやシステムエンジニアと呼ばれる技術革新を行う人材や、生み出されたテクノロジーを活用できる人材が、多くの企業で必要になるといわれています。

 逆に言うと、テクノロジーを活用できない企業や人は、ロボットや人工知能(AI)に代替・淘汰されることになります。冒頭に紹介したイギリスのオックスフォード大学の研究結果によると、人工知能(AI)の発展により2020年には今ある仕事の半分が「消える・なくなる」とされ、大きな波紋を呼んでいます。


「消える職業」「なくなる仕事」とされた主なもの

●銀行の融資担当者
●スポーツの審判
●不動産ブローカー
●レストランの案内係
●保険の審査担当者
●動物のブリーダー
●電話オペレーター
●給与・福利厚生担当者
●レジ係

●娯楽施設の案内係、チケットもぎり係
●カジノのディーラー
●ネイリスト
●クレジットカード申込者の承認・調査を行う作業員
●集金人
●バラリーガル、弁護士助手
●ホテルの受付係
●電話販売員

●仕立屋(手縫い)
●時計修理工
●税務申告書代行者
●図書館員の補助員
●データ入力作業員
●彫刻師
●苦情の処理・調査担当者
●簿記、会計、監査の事務員

などなど…

◆参考資料:オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」


 一概には言えませんが、2020年に「消える・なくなる」とされている仕事は、一定の情報を基に人間が判断して行う仕事や、繰り返し作業を行う仕事など、比較的ルール化された仕事が多いのがお分かりでしょうか。ルール化された仕事というのは、ロボットにとっては一番得意とする分野です。一見、複雑と思われる仕事も、ルールを基に人間が判断しているのであれば、予めそのルールをロボットに記憶させれば後は自動で行ってくれます。

 そのようなこともあり、今後は「人間が行うべき仕事」と「ロボットや人工知能(AI)が行うべき仕事」に分かれていきます。

 このことを裏付けるかのように、みずほ銀行では2017年9月から人工知能(AI)を活用した個人融資審査を開始するそうです。沖縄県内の食品スーパーでもセルフレジなどの導入が進んできました。

 このような、AIやIoT、ビックデータを活用した、技術革新による新しい時代の到来を「第四次産業革命」と呼んでいます

産業界や社会が激変 教育も変化が必要
 ロボットやAIが社会の中で“当たり前”になる未来を生き抜くためには、以下のような力を得る必要があります。

1.AIやテクノロジーの作り手として仕事をする

2.AIやテクノロジーの使い手として仕事をする

 しかし、このようなスキルを学ぶ機会は、これまでそう多くはありませんでした。世界や日本で、小学校からのプログラミング教育を必修にする動きが始まっているのには、こうした背景があるのです。

 地球規模の環境問題やエネルギー問題など、人類は今、過去に経験したことのない幾つもの難題に直面しています。これらの課題を解決するためには次代を担う子どもたちがテクノロジーの作り手・使い手となる必要があり、そのための新たな教育が求められています。

 では2020年からの小学校でのプログラミング教育必修化で、教育はどう変わるのでしょうか。

 次回の記事でご説明します。

 

(次回は8月11日に公開。毎月第2、4金曜日に公開します)


― 執筆者プロフィール ―

Tech Kids School 沖縄エリア統括責任者 中山拓也(なかやまたくや)

沖縄県糸満市出身。自身も子どもを持つ2児の父親。沖縄の子ども達を取巻く様々な格差からくる成長の機会損失が多い現状を変えたいと思っている。未来を担う子ども達に「無限の可能性と希望」を伝えるべく奮闘中。

小学生のためのプログラミングスクール「Tech Kids School」を運営しながら、未来を生き抜くために必要とされるプログラミング教育の提唱や、家庭環境に関係なく子ども達へ学習の機会創出を行うため、沖縄県内の企業や大学と連携した取組みも行っている。

▼Tech Kids Schoolの詳細はこちら
http://techkidscamp.jp/school/

琉球新報社

最終更新:7/28(金) 10:23
琉球新報