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「鬼の阪口」で猛練習 大垣日大高ナイン成長

7/28(金) 8:37配信

岐阜新聞Web

 「東邦高校時代に戻って鬼の阪口になる」。高校野球の名将大垣日大の阪口慶三監督(73)が選手に告げたのは昨秋の県大会2回戦で夏の岐阜大会決勝に続き、中京学院大中京に敗れた直後だった。大垣日大でかつてない“地獄”の練習に耐え抜いた選手たちは、約10カ月後の27日、岐阜市長良福光の長良川球場で行われた岐阜大会決勝で同じ相手中京を6―3で下して3年ぶり4度目の甲子園出場を決め、歓喜に沸いた。
 阪口監督は2005年、大垣日大の監督に就任。前任校での「鬼の阪口」を封印し、「仏の阪口」として指導し、07年の選抜準優勝など輝かしい実績を重ねてきた。夏は13、14年と連続で甲子園に出場したが、15年は岐阜大会準決勝で岐阜城北に0―6で完敗。昨年は中京に2―3で敗れ、「もう甲子園の舞台に立てないかもしれない」とさえ思った。気持ちを切り替え臨んだ昨秋、今チーム最初の県大会で同じ相手に屈した。この敗戦が「鬼の阪口」をよみがえらせた。大垣日大伝統の金生山での走り込みは例年の2倍、1日千本スイングも課し、徹底的に体を鍛え抜いた。
 昨夏も主力の石川隼也(17)、宮坂元規(17)の両選手は、悔しさを胸に人一倍練習に明け暮れた。昨夏はエースで決勝の舞台でも先発した石川選手は球速アップに力を入れた。体幹を強くするため腹筋と、下半身強化のため走り込みを増やした。今大会は中継ぎ起用が続いたが、苦しい場面を任されても気迫の投球でチームを救った。
 4番ながら昨夏の決勝で無安打に抑えられた宮坂選手は、力強いスイングを追い求め、食事を見直した。毎食、米飯を茶碗3杯食べ続けたことで、体重は入学時より12キロ増加。また「強いスイングには腕の力が必要」と考え、スイングを増やし、腕を鍛えるトレーニングを多く取り入れた。「打球の伸びは変わった」と自身も成長を実感。リベンジの今夏、同じカードとなった決勝の舞台で、この2人が貴重な適時打を放ち、勝利に貢献した。試合後、宮坂選手は「2人ともいい打撃ができた。チームに勢いをつけられた」と喜びをかみしめた。
 決勝前夜、阪口監督の「2年半で一番苦しかったことは」の問いに全員が「金生山」と答えた。“鬼の阪口”の厳しい指導に耐え、念願を果たしたナイン。3年ぶりの出場で聖地を知る選手はいないが、全国のどこよりも練習してきた自信が、阪口監督の言う“鬼軍団”を夢舞台で後押ししてくれるはずだ。

岐阜新聞社

最終更新:7/28(金) 10:15
岐阜新聞Web