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働き方は十人十色。職場や時間を自由に選べるIT派遣エンジニアの魅力とは

7/28(金) 10:20配信

ReadWrite Japan

クラウドやビッグデータ活用など、企業がビジネスを展開する上でITの需要はより一層高まっている。一方で、ITエンジニア数の伸びは追いついておらず、各企業は慢性的なITエンジニア不足に悩まされている。こうした背景から、注目を集めているのがIT派遣エンジニアだ。

本記事では、ITエンジニア業界の実情やIT派遣エンジニアという働き方・魅力について、大手人材派遣会社リクルートスタッフィングの中でも、ITエンジニアの派遣に特化した「ITSTAFFING」事業を牽引する、中川将宏氏に話を伺った。


ITエンジニア不足がもたらす採用環境の変化とは

― 今世の中では人材不足が叫ばれていますが、ITエンジニア業界の実情はどのようなものなのでしょうか?

中川氏:ITエンジニアの人材不足はかなり深刻です。以前担当していた販売職・営業職領域でも、土日祝日・フルタイムで働ける人が少なく苦戦していましたが、これがIT業界になると、さらに需要過多になっています。一口に「IT業界」と言っても、たとえばPC向けとスマートデバイス向けでは求められるスキルが違いますし、同じアプリ開発でも使用言語が異なります。つまり、少ない母数の中からさらに企業が求めるスキルを持つITエンジニアを探し出さなければいけないため、各企業はITエンジニアの獲得に四苦八苦している、という状況です。
こうした事情により多くの企業がITエンジニア獲得に苦戦する中で、IT派遣エンジニアの存在が注目を集めるようになってきました。当初はIT派遣エンジニアの採用においても、経験やスキルが重視されてきましたが、最近では慢性的なITエンジニア不足から経験に関する条件を再検討したり、未経験者も受け入れたいという企業が増えてきたり、という変化が起こっています。


スキルを活かして働く時間や環境を選べるIT派遣エンジニア

― 人材不足により、IT派遣エンジニアに改めて注目が集まっているわけですね。正社員のITエンジニアとIT派遣エンジニアでは、どのような違いがあるのでしょうか?

中川氏:働き方の観点で大きく異なっています。正社員が企業と直接雇用契約を結ぶのに対して、IT派遣エンジニアは弊社のような派遣会社と雇用契約を結び、派遣先企業で指揮命令を受けながら、日々の業務を行います。多くの案件の中から、働く場所や勤務時間などの希望を踏まえ、条件に合った派遣先企業で実務にあたるのが、IT派遣エンジニアとしての働き方です。



― 正社員とIT派遣エンジニアでは働き方が異なるとのことですが、正社員と比べた時、IT派遣エンジニアの魅力としてはどのようなものが挙げられますか?

中川氏:IT派遣エンジニアの魅力として一番大きいのは、自身が持つスキルを活かしながら企業の枠にとらわれることなく働ける、自分の理想に近いキャリアを積んでいける、という点でしょう。管理職ではなく、プロフェッショナルとして働くというようなイメージですが、こうした働き方は、今までITエンジニアとして多くの経験を積んできた方に好まれる傾向にあります。
そしてもうひとつは、近年注目されている「ワークライフバランス」の観点から、IT派遣エンジニアを選ぶ方も増えてきました。プライベートの面も考慮して、自分が働きたい・働きやすい時間や環境を選べるわけです。



― やはりある程度の経験がなければ、IT派遣エンジニアとして働くのは難しいのでしょうか?

中川氏:確かに経験者を求める企業が多いのは事実ですが、中にはMicrosoft Officeの操作など必要最低限のスキルさえ身に付けていれば、未経験でも構わないという企業もあります。最近では事務職からITエンジニア領域にチャレンジしたいという方もいらっしゃるため、こうしたニーズの橋渡しを行うのが弊社の役割です。

IT業界における現在の需給バランスを考えると、ITエンジニア自体の母数をいかに増やしていくかが重要ですから、弊社でも可能な限り企業とIT派遣エンジニアの希望をマッチングできるよう尽力しています。



― 先ほどIT派遣エンジニアとして働く魅力について伺いましたが、反対にIT派遣エンジニアとして働くデメリットはありますか?また、デメリットに対しては、どのような取り組みをしているかも教えてください。

中川氏:一般的にデメリットと捉えられやすいのは、正社員と比べてもらえる権限が少ない傾向にある部分ですね。企業にもよりますが、各種システムや情報の閲覧範囲が正社員とIT派遣エンジニアでは異なる場合があります。情報セキュリティの観点から設けられた正社員と派遣社員の線引きに、若干やりづらさを感じる方もいることは確かです。権限を持って働きたいという方もいるので、弊社ではできるだけ希望や適性に応じた就業先を提供するよう努めています。

あとは個人が置かれている状況によってメリット・デメリットがまったく変わってきます。たとえば、正社員を目指し、その入り口としてIT派遣エンジニアになるといったケースでは、3ヶ月や6ヶ月など一定期間で契約更新することに対しての不安定さをデメリットと感じる方もいらっしゃいます。その一方で、契約期間が決まっていることをメリットと感じる方も多いんです。自分だけでなく弊社のような第三者を経由することでスキルが客観的に把握でき、それに応じて次の企業へステップアップしたり、次々と新しい仕事に取り組める楽しみを見出したり、ということを理由に挙げる方が多いですね。このように、メリット・デメリットと感じる部分は個人の事情や考え方によって異なります。
弊社ではこうした個人ごとに異なるデメリットの部分を埋めていけるよう、可能な限り密なコミュニケーションをとり個人の考えやスキル、置かれている状況などの把握を心がけています。



―IT派遣エンジニア一人ひとりの事情を把握することが重要なんですね。スキルの把握は具体的にどのように行われているのでしょうか?

中川氏:登録の際にご本人からお聞きしています。登録自体は来社登録とオンライン登録からお選びいただけるようにしています。少し前までは来社登録のみだったのですが、現在は求職者の利便性を考えてオンライン登録も受け付けています。オンライン登録ならば、現在仕事をしていたり、遠方に住んでいたりと、来社の時間がとれない方でも安心です。もちろん、オンライン登録の方も必要に応じて面談を行うケースもありますし、ご登録内容の詳細についてお聞きしたり、案件をご紹介する際は必ず電話でコミュニケーションをとらせていただいたりと、ミスマッチが起こらないように細心の注意を払っています。



― スキルの把握についてお話を聞いてきましたが、スキルアップなどの取り組みも行われているのでしょうか?

中川氏:現在、ITSTAFFINGでは、リアル参加型のイベント開催に力を入れており、スキルアップを望む方に対して、研修・セミナー・勉強会などをほぼ毎週開催しています。内容としてはテクニカルな部分だけでなく、業界の動向やキャリアの積み重ね方といった、自己啓発に関するものも含まれています。
横浜や大阪で開催する場合もありますが、銀座にある本社で開催することが多いですね。派遣会社は雇用元ではありますが普段は派遣先で就業しているので、IT派遣エンジニアはなかなか自分が“ここの社員だ”というイメージを持ちづらいものです。そこで、弊社に訪れればさまざまな情報が得られ、弊社との絆をより深めてもらえるように工夫しています。


一人ひとりのスタイルに合わせた“エンジニアオリエンテッド”なサービスを目指す

― 今後、ITエンジニアの働き方はどのように変わっていくとお考えですか?

中川氏:どの業界においても、人口の減少によって従来と同じ雇用の仕方では企業側も十分な人材を確保できないため、そこをテクノロジーで補っていく部分も増えていくでしょう。しかしIT領域に関しては、それでも圧倒的な人材不足が続くと予想されます。こうした点から、今後は個人の働き方にどこまで企業が合わせていけるかがテーマになってくると考えています。同時に、職種転換も含めて未経験者を広く受け入れられる環境作りも極めて重要といえます。

共働き家庭の増加による育児や、高齢者が増える中でご家族の介護など、働く上でさまざまな制約があるケースも増えています。このような状況下においても、できるだけ最適な条件で働ける場所を提供することが、IT派遣エンジニアと企業の双方にとって最良な選択であり、弊社の介在価値が提供できる部分だと考えています。



― 最後に、今後の展開についてお聞かせください。

中川氏:これまで以上に、それぞれの登録者が望んでいることをしっかりと汲み取れる仕組みづくりに注力していきたいですね。たとえば、現在働いている約5000名の方々も、それぞれの現場で日々スキルアップしていますが、そうした詳細情報まですべてタイムリーにキャッチアップするのはなかなか難しいものです。しかし、そうした詳細情報をきちんとおさえれば、キャリアアップに向けて、より有用な情報をご提供できるようになるでしょうし、その方により適した案件をご提案できるようになります。また、密なコミュニケーションを図ることでお互いの信頼度が増せば、派遣スタッフの方からキャリアプランに関する本音も聞けるようになるかもしれません。そうした本音を踏まえて、長い目で見たキャリア支援ができることが理想ですね。



― ありがとうございました。

ReadWrite[日本版]編集部

最終更新:7/28(金) 10:20
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