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『君の名は。』4Kテレビ別、UHD版画質セッティング:LG 55SJ8500編

7/28(金) 12:31配信

Stereo Sound ONLINE

 いよいよ本日7月26日に大ヒット映画『君の名は。』のBlu-ray & DVDが発売された。

テレビの詳細スペックも含めて確認

 せっかく観るなら、よりきれいな映像で楽しみたいもの。そこで、AV機器ライターの鳥居一豊さんに、『「君の名は。」Blu-rayコレクターズ・エディション 4K Ultra HD Blu-ray 同梱5枚組』に同梱される4K Ultra HD Blu-ray(以下UHDブルーレイ)版を使って、各社の売れ筋4Kテレビに最適なセッティングを探ってもらい、その内容を好評発売中のHiVi8月号で掲載した。

 今回はより多くの方に『君の名は。』を高画質で楽しんでもらうべく、掲載した記事をStereo Sound ONLINEでも紹介する。なお、『君の名は。』の各パッケージ内容は本ページ一番下にまとめたので、参照いただきたい。(HiVi 編集部)



■アニメこそ、映像“イコライジング”!

 ここでは、『君の名は。』を使って各社の最新液晶テレビで映像イコライジングに挑戦する。UHDブルーレイ版でさらに魅力を高めた、独得の色彩とHDRの輝くような光の演出のよさを最大限引き出すのだ。

 映像の「イコライジング」というと、なにやら小難しいイメージかもしれないが、決してそんなことはない。見たい作品をより見やすくする。基本は、それだけのこと。特にアニメでそれが欠かせないのは、テレビで見る映像のほとんどであろう実写とは映像としての特徴がまるで違うから。基本的にテレビは実写映像を見ることを前提に絵づくりをしているはずだ。ゆえにそのままでアニメの映像を見ると、色の再現や細部の見え方が不自然になりがちなのだ。アニメの特徴を意識して映像的な不自然さをなくし、いっぽうでよさをさらに引き出す。これが、アニメの映像イコライジングのポイントだ。

 まずは準備。映像モードの選択だ。映像モードには、たいてい「標準」や「映画」など複数あるが、基本的には明るい環境で見るなら「標準」、暗い部屋なら「映画」をおすすめする。これはいつも自分が見る環境の明るさで、もっともアニメが見やすいモードを選べばいい。

 次に動画補間は「オフ」を選ぶ。多くのアニメは毎秒24コマで制作される。ここに映像補間を加えてしまうと、その動きが不自然になる。動きが滑らかで見やすいと感じるかもしれないが、アニメーターが狙った緩急のある動きがのっぺりとした面白さのないものになりがちだ。

 最後は色温度を「低」(あるいは『D65』など)とする。「映画」モードなら色温度はだいたい「低」なので問題ない。この理由は制作時のモニターで確認するときと条件を合わせるため。色温度は色の見た目に大きく影響するので、色温度が異なると、作り手が選択した色が正確に再現されないことになる。作品の印象も左右するので、この色再現の正確さはかなり重要。

 後は、画面の「明るさ」と「色の濃さ」を合わせる。これは自分の好みで調整していい。ここまで準備を進めた段階で映像が暗かったり、色が薄いと感じなければ、そのままでもOKだ。

 最後に、少し本格的なイコライジング。これは、最新モデルごとに詳しく解説していくが、第1はコントラスト感を高めること。暗部をしっかりと締めることで色もよりくっきりと鮮やかになる。液晶テレビではここがもっとも肝心だ。

 第2はシャープネスを調整して、アニメの描線をより太く、それでいてタッチが見えるように鮮明にする。これで手描きの味わいなどがしっかりと出る。

 第3は解像感の調整で、背景画のディテイルをくっきりと見えるようにすること。実写とは異なるアニメの描き込みをきちんと引き出したい。

 有機ELテレビの黒の締まりはアニメと相性がよく、液晶テレビでは敵わない部分もある。だが、こうした調整を行なえば、ことアニメに関しては有機ELテレビに迫る満足度が得られるはずだ。



■LGの4Kテレビ「55SJ8500」でのセッティング

 55SJ8500は、LGの4K液晶テレビ上級モデルで、IPSパネルとエッジ型LEDバックライトを組み合わせた構成。映像は明るめの傾向だが、LEDの部分制御も行なわれており、IPSパネルとしてはコントラスト感のある映像になっている。

 まずは、映像モードを暗室向けの「シネマダーク」に設定。映像オプションをざっと見て、ノイズリダクション系の項目はすべて『オフ』とした。映像補間を行なう「TruMotion」も『オフ』。なお、色温度(ホワイトバランス)は初期設定値の『低2』のままだ。

 そしてオープニングの明るいシーンと、口噛み酒の舞いが行なわれる夜のシーンでコントラスト感をチェック。もともと少々黒が沈み気味だったので、「LED部分制御」を『強』から『弱』とした。プロ設定にある「ダイナミックコントラスト」も試した結果、明暗のコントラストと色が豊かに出るので、初期設定値のまま『弱』としている。黒の締まりはもう少し欲しいが、HDRの光の加減など特に明るいシーンでの鮮やかさが際立つ映像となった。

 「シャープネス」は初期値の『10』から『17』へ上げる。これで描線がはっきりと出て、キャラクターが浮き出るような立体感が再現される。シャープネスの調整では、オーバーシュート(描線周りの白いフチドリ)が出ないように注意すること。

 最後の味付けとして、色の濃さを調整した。設定値の『55』では色が薄くなり、特に暗色が沈んでしまう。大胆に『80』まで上げるとさすがにハデ過ぎて子供向けマンガ映画のようになってしまうので、そこから少し落として『73』として、豊かな色と独得の色遣いがしっかりと味わえるところを狙った。

 結果として明るいシーンでの力強さが際立つ、見応えのある映像となった。他のアニメ作品でもHDRの輝きの描写が強烈で楽しい。やや明るい部屋向きの画質だが、この力強さは充分に魅力がある。

【LG 55SJ8500】
オープン価格(実勢価格26万円前後)
●画面サイズ:55型
●パネル解像度:水平3840×垂直2160
●パネル方式:IPS
●寸法/質量:W1229×H763×D245mm/19.6kg
●問合せ先:LGエレクトロニクス・ジャパン カスタマーサポートセンター
電話番号:0120-813-023



■「君の名は。」Blu-rayコレクターズ・エディション 4K Ultra HD Blu-ray 同梱5枚組(初回生産限定):1万2000円+税
■「君の名は。」Blu-ray スペシャル・エディション 3枚組:7800円+税
■「君の名は。」Blu-ray スタンダード・エディション:4800円+税
■「君の名は。」DVD スタンダード・エディション:3800円+税
販売元:東宝

Stereo Sound ONLINE / 鳥居一豊

最終更新:7/28(金) 12:31
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