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予想外の場所から恐竜歯化石 長崎に「新産地の可能性」

7/28(金) 12:04配信

福井新聞ONLINE

 福井県立大恐竜学研究所(永平寺町)と長崎県西海市は28日、同市大島町の海岸の地層から、鳥脚類恐竜ハドロサウルス上科の歯の化石1点を発見したと発表した。大島町周辺には恐竜絶滅後の古第三紀の地層(約5千万~3千万年前)だけが分布していると考えられていたが、同研究所は、これまで知られていなかった白亜紀後期の地層(約9千万~8千万年前)が一部あるとみており、新たな恐竜化石産地になる可能性がある。

⇒長崎の海岸で見つかった歯化石

 化石は、高さ42ミリ、幅27ミリ、厚さ10ミリで、5本の歯が密集した「デンタルバッテリー」と呼ばれる構造が残っている。歯の形状などから、イグアノドンなどで知られる草食の鳥脚類の中でも比較的進化したハドロサウルス上科の右下あごの歯と推定した。

 大島町で古生物の哺乳類を調査していた研究所の宮田和周准教授が見つけた。長崎県では古くから石炭の探査、採掘のために詳しく地質調査が行われており、発見場所も古第三紀の地層という見方が定着していた。

 通常は白亜紀など恐竜がいた年代の地層を手がかりに化石を発掘する流れで、宮田准教授は「西海市の地質を再検証する必要があり、地層の年代が化石の発見によって大きく見直される珍しいケース。地質学、古生物学の両面から意義は大きい」と語る。

 化石には、ハドロサウルス上科からさらに進化したハドロサウルス科に至る過程を探る上で重要な特徴があり、同様の化石のほとんどが大陸内部で見つかっているだけで貴重な資料という。恐竜が死んだ後の歯は、ばらばらになりやすく、デンタルバッテリー構造の化石は国内では極めてまれ。研究所の柴田正輝講師は「保存状態が良く、周辺を調べれば他の部位が見つかる可能性がある」と期待する。

 宮田准教授は、歯の化石とほぼ同時に、数百メートル離れた場所で約70センチの骨の化石も発見しており、研究所でクリーニングしている。研究所と西海市は今年4月から共同研究に取り組み、骨の化石の解明や地層の精査、追加の化石調査を進めている。

 福井県立恐竜博物館(勝山市)で29日から9月1日に今回見つかった化石の複製、9月2日から10月15日に実物を展示する。

福井新聞社

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