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MBCとKBSは過去9年間「社会的凶器」だった

7/28(金) 17:39配信

ハンギョレ新聞

公益性無視した両公営放送 セウォル号惨事など主要事件に歪曲報道・沈黙  問題提起したジャーナリストには「口封じ」

 「焦り症にかかった韓国社会が、どうして潜水部を早く投入しないのかと彼(セウォル号惨事の際、捜索作業に参加し死亡した故イ・グァンウク潜水士)を急き立てたのではないか、考えてみるべき問題です。…(中略)事故初期から、一部の行方不明者の家族は現場に駆け付けた首相に水を浴びせ、救助作業が遅いとして、大統領府に向って行進しようと叫びました」

 セウォル号救助作業が真っ最中だった2014年5月7日。MBC(文化放送)の「ニュースデスク」はこのように報じた。セウォル号遺族の“焦り”が民間ダイバーの死を招いたと捉えられる余地が大きかった。セウォル号遺族のユ・ギョングン4・16家族協議会執行委員長はこの報道を忘れられないと語った。公益のためにあるという「公営放送」が市民にとって“凶器”に転じた瞬間だった。

 李明博(イ・ミョンバク)大統領と朴槿恵(パク・クネ)政権の9年間、KBS(韓国放送)とMBCはどれほど後退したのだろうか。27日午後、国会議員会館で開かれた「韓国放送・文化放送の被害者証言大会」では「公益に逆行した公営放送」に対する証言が殺到した。公営放送の「報道惨事」に挙げられる代表的な事例はセウォル号惨事の報道だ。そのうち「全員救助の誤報」はこれを赤裸々に表わしていると指摘されている。民主言論市民連合が発行した「歪曲・偏向報道白書」によると、韓国放送は、セウォル号惨事当日午前10時38分、乗客が全員救助されたという内容を報道した。文化放送も事故当日午後1時まで「全員救助の誤報」を出した。ユ委員長は同日、証言大会で「当時(公営放送が)誤報を認めた後も、かなりの間同じ内容の報道があった。常識的に説明できない部分だ」と話した。

 公営放送は批判の声を出すべき時点に沈黙した。文化放送と韓国放送は故ペク・ナムギ氏死亡事件についても関心を示さなかった。ペク・ナムギ闘争本部のチェ・ソクファン事務局長は「公営放送はペク・ナムギ士の死亡事件について歪曲報道もしたが、無関心な態度にもっと憤りを覚えた」とし、「この事件を取り上げた公営放送の深層報道は一つもなかった」と話した。他にも討論者たちは、公営放送が高高度防衛ミサイル(THAAD)配備をめぐる歪曲報道▽李承晩(イ・スンマン)、ペク・ソンヨプの美化▽4大河川事業の歪曲報道などで問題を露呈したと指摘した。

 公営放送の“暴走”は内・外部の言論人の批判に耳を傾けなかったためという指摘もあった。これまで9年間、公営放送は自社に対する問題提起をした言論人の「口封じ」に乗り出した。内部構成員には解職・懲戒で圧迫し、彼らに多大な苦痛を強いた。同日の「解職の経験と言論人の人権保護」討論会で、文化放送から解職されたチョン・ヨンプロデューサーは「他のことに沒頭していても、『解職された言論人』という影は消えないと思う」と話した。公営放送は自社を批判する報道に訴訟戦を繰り広げてきた。「メディア今日」のキム・ドヨン記者は「文化放送・韓国放送などが自社を批判する報道に対して提起した民事・刑事訴訟は数え切れないほどだ。公営放送の訴訟に巻き込まれた記者が会社を辞めたケースもあった」と伝えた。

パク・ジュンヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:7/28(金) 17:39
ハンギョレ新聞