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社説[民進 蓮舫代表辞任]野党第1党の自覚持て

7/28(金) 7:25配信

沖縄タイムス

 民進党の蓮舫代表が辞任を表明した。

 党初の代表選で当選したのは昨年9月。1年足らずの辞任に「東京都議選を通じて自身の足らざる部分に気付いた。統率する力が私には不足していた」と述べた。支持率が続落を続ける責任を取った形だ。

 だが、一向に変わらぬ党の混乱を鑑みれば、そんな殊勝な姿にさえ疑問が湧く。

 自民党が歴史的大敗を喫した都議選で、同様に大敗したのは民進党である。蓮舫氏は当初「極めて深刻で非常に残念な結果となったが、最前線で引き続き頑張りたい」と引責辞任を否定していた。

 しかし党内で収まらぬ責任論の末に、野田佳彦幹事長が辞任を表明したのは都議選から3週間後。「加計(かけ)問題」を巡る参院予算委の閉会中審査で、蓮舫氏が安倍晋三首相の矛盾を追及した日だった。安倍政権が窮地に立たされ、野党第1党として攻勢をかけるべき時期の幹事長の辞任表明。それに続く代表辞任である。「なぜ今なのか」。理解に苦しむ。

 蓮舫氏は会見で「遠心力を求心力に戻す」と繰り返し、来るべき解散総選挙を万全の態勢で臨みたいとの意向を示した。

 国民が野党に望むこととは何なのか。加計・森友学園問題など民進党はこの間、安倍政権を問いただす役割を担ってきた。「PKO日報」問題の閉会中審査を前に、その役割を放棄したかのような辞任劇は、いかにもタイミングが悪い。

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 安倍政権の支持率がかつてないほど低迷しても、民進党の支持率は上がらない。野党第1党として政権の「受け皿」と認知されないことに蓮舫氏も危機感をあらわにする。

 なぜなのか。政党にとって重要な政策の軸が定まらないことが大きい。

 象徴的なのはエネルギー政策と野党共闘だ。「安倍1強」体制への危機感により、有権者からは共闘を望む声が上がるが、蓮舫氏の歯切れは悪い。エネルギー政策でも、原発回帰を進める安倍政権の対立軸として「30年代原発ゼロ」を打ち出したのに、連合傘下の電力労組などへの配慮から、その後あいまいに終始している。

 こうした党執行部の揺らぎに乗じ、長島昭久衆院議員は共産党との選挙協力に反発して離党。改憲を巡っても、代表代行として蓮舫氏を支えていた細野豪志氏が「議論さえしない」と批判して辞任した。

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 党幹部の相次ぐ離反は、民進党の政党としての課題を表面化している。蓮舫氏は、党内の多様な意見が「健全な民主主義の証し」とするが、それをまとめる方策がなければ単なる「寄り合い」政党と揶揄(やゆ)されても仕方あるまい。確固たる政策や方針がなければ、代表をすげ替えても国民の支持は得られない。

 この機会に野党第1党としての自覚に立ち返ることだ。目指す「二大政党」制の実現はその先にある。

 政権との対立軸を鮮明にし、そのための合意形成を丁寧に積み上げる作業が不可欠だ。

最終更新:7/28(金) 7:25
沖縄タイムス