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国内初、柄付きやりがんな出土 小松・八日市地方遺跡

7/28(金) 3:56配信

北國新聞社

 石川県埋蔵文化財センターは27日、小松市の八日市地方(じかた)遺跡で、国内最古となる約2300年前(弥生時代中期前半)の木工具「鉄製●(てつせいやりがんな)」が出土したと発表した。柄が完全に残っている弥生時代の鉄製●としては、国内初の出土品となる。同センターは、日本で鉄器生産の始まる前に大陸から伝わった鉄製工具とみており、鉄器が列島各地へ普及する過程を知る上で極めて貴重な史料だとしている。(●=金ヘンに施のツクリ)

 鉄器生産の始まる前に大陸からもたらされた鉄器は「舶載(はくさい)鉄器」と呼ばれ、●のほか、おのやのみが見つかっている。●は九州北部で十数件の出土例があるものの、柄は付いておらず、当時の使用実態はほとんど分かっていない。

 八日市地方遺跡では、さじやコップなど木器が多数出土しており、精巧な加工痕から弥生時代中期前半以降には、鉄製工具の使用が推測されていた。柄付き鉄製●の発見で、鉄製工具の使用が明らかになった。

 柄付き鉄製●は全長16・3センチで、先端に三角形の刃が取り付けられている。刃は長さ5・1センチ、幅1・9センチで、約半分が木製の柄に挟み込まれ、テープ状に加工した桜の樹皮を巻いて固定してあった。

 木製の柄は格子文様が彫り込まれ、グリップエンドは直径3・5センチに削り出されていた。柄が他の地域でみられない構造であり、大陸から交易品としてもたらされた鉄製●に合わせて柄が作られたとみられる。

 北陸新幹線小松駅の建設工事に伴う調査で6月5日、地表から約4メートルの地中で見つかった。早い段階で遺跡内を流れていた川沿いの砂地に埋もれ、空気が遮断され、適度な湿気があったことから良好な保存状態が形成されたという。

 県埋蔵文化財センターは29日から約1カ月、金沢市の同センターで、鉄製●の写真パネルや複製品を展示する。県埋蔵文化財センターの中屋克彦主幹は「八日市地方村の弥生人たちが、どういう工夫をして、どのような思いで貴重な鉄器を取り扱ったのかにまで思いをはせることのできる出土品だ」と強調した。

北國新聞社

最終更新:7/28(金) 3:56
北國新聞社