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【特集】無痛分娩医療事故 妻を亡くした夫の思い

7/28(金) 15:58配信

毎日放送

おととし、神戸市内の産婦人科医院で出産時の痛みを麻酔で和らげる「無痛分娩」によって出産した女性が、1年8か月後に死亡しました。最近になって重大な事故が相次いで発覚している「無痛分娩」。その背景には一体何があるのか?無痛分娩での医療事故で妻を亡くした男性が、必ずしも十分とはいえない産科医療の現場の課題を指摘しています。

医院側から勧められた“無痛分娩”

「妻が一番望んでいたのは、子どもと一緒に過ごしたいということだと思う。少なくとも私がその思いをできる限り代弁できればと…」(死亡した女性の夫 Aさん)

東京都内に住む、Aさん(32)。Aさんの妻は、出産から1年8か月後の今年5月に35歳で亡くなりました。一体、何があったのでしょうか?

2人はおととし9月、神戸市西区の産婦人科医院で初めての出産に臨みました。Aさんの妻は小柄でお腹の男の子は比較的大きかったことから、長時間の出産を懸念した医院側から「無痛分娩」を勧められたといいます。

「帝王切開の場合は日常生活に復帰するまで時間を要してしまうので、お腹を切りたくないけど長時間の出産は体力がもたないし、痛みがけっこう伴うことが予想されるので痛みを緩和する手段として“無痛分娩がある”と提案された」(Aさん)

「片手間で麻酔…」 1年8か月後に死亡

Aさんらが選択したのは「硬膜外無痛分娩」と呼ばれるもので、出産の直前に背中からカテーテルを入れ脊髄近くの硬膜の外側に直接、麻酔薬を注入します。麻酔によって陣痛や出産時の痛みを脳に伝達しにくくするのです。しかし、Aさんの妻の場合はカテーテルが誤って硬膜まで深く入り、麻酔が中枢神経にまで作用したことで呼吸困難に陥ったとみられています。

「一番の問題点は、医師が頻繁に外来に行ったり戻って分娩に携わったり、片手間でオペというか麻酔をしているという状況だった。(医師が)離席せずに観察していれば、その後の緊急搬送がスムーズにいっていれば、違った結果になっていたかもしれない」(Aさん)

無痛分娩を行っていたのは医師1人…しかも医師は、外来の診察と同時並行で麻酔を施していて、妻の異変気づいたのは完全に意識を失った後でした。病院側は過失を認めその後、示談金を支払っています。

Aさんの妻は出産後一度も意識を回復することなく1年8か月後に死亡していて、長男(1)も一時心肺停止に陥り、意識不明の状態がいまも続いています。

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最終更新:8/2(水) 16:24
毎日放送