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黒田総裁のインフレ目標政策の指南役・伊藤隆敏氏、次期総裁との声も

7/27(木) 0:01配信

Bloomberg

デフレ脱却を目指して異次元金融緩和を進めてきた黒田東彦日本銀行総裁。その柱となるインフレ目標政策を指南した人物がいる。

長年在籍した東京大学を離れ、2015年からコロンビア大学教授としてニューヨークに拠点を置く伊藤隆敏氏(66)だ。1999年、旧大蔵省(現財務省)で黒田氏の部下だった伊藤氏はその有効性について詳細な説明を繰り返し行った。黒田氏の中で好奇心は確信に変わり、後に日銀総裁として2%の物価目標に向けて猛進していく。

黒田氏の任期満了が来春に迫る中、伊藤氏は次期総裁候補の1人と目されている。ブルームバーグがエコノミストを対象に6月に行った調査で、黒田総裁再任の予想が最も多い中、伊藤氏の名前も挙がった。財務省や国際通貨基金(IMF)で実務経験を持ち、日本の経済政策へも影響を与えてきた。特に海外での知名度、ネットワークは日本の経済学者では群を抜いている。

「世界中でとても尊敬されている人物だ」-。ハーバード大学大学院時代のクラスメートだったローレンス・サマーズ元米財務長官は伊藤氏について「学者としての素晴らしさと中央銀行のトップのような冷静で安定した気質の両方を兼ね備えている」とメールで回答した。ジャネット・イエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長やベン・バーナンキ前FRB議長たちのグループに属すると評する。

得意とするのは理論に裏付けされ、現実に即した政策提言だ。旧大蔵省時代の部下だった浅川雅嗣財務官は、伊藤氏について「単に学者と言うだけではなく、非常に現実に即した関心がある」と分析する。国際的な発言力もあり、現在も帰国の度に意見交換を行っていると言う。

伊藤氏は次期総裁の打診があった場合に引き受けるかどうか明言を避けた上で、誰がするにしても難しい局面でのかじ取りになるとみる。2%のインフレ目標は達成できるはずだとした上で、その先は緩和縮小となり「出口に向かった時にいろいろと難しい事が起きてくる」と指摘。日銀の政策が「うまくいけばいくほど大変な5年になる」と語った。

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最終更新:7/27(木) 0:01
Bloomberg