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36本のMVの中でLINDBERGのターニングポイントになったのは……/インタビュー3

7/29(土) 18:30配信

エキサイトミュージック

 
■LINDBERG/DVD集『LINDBERG ALL TIME MUSIC VIDEO HISTORY』インタビュー(3/4)

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スタッフが「それ以上はやばいですよ」って

──となると本格的に再始動となった3年前の25周年タイミングのときも、何かきっかけがやってきた?

渡瀬:そんときね、私、すっごい体調が良くなくて。いろんな病院行ったけど、「○○です」っていう病名はつけられず、結局なんだかわかんなくて。心なのか身体なのか両方なのか、とにかく私からのサインですよね、「今あんまりよくないよ、ちょっと身体、休ませよう」みたいな。で、立ってるのもしんどくてリビングにお布団敷いて横になってたんですよ。で、ボンヤリ考えてたの、人生って何があるか、明日どうなるかわからへんなぁって。で、そのとき初めてLINDBERGのことを考えてみたの。20周年から何もなく30周年で出るのは、ありえない。30周年がないってことは、もう復活はないなって。で、ほんとにこのまま終わっていいんやろかって思ったときに、なんかLINDBERGに対してちょっと愛しい気持ちがプツって。シャボン玉みたいにプチュって出てきたの。そんなタイミングのときに、チェリーがお見舞いに来たから、顔を見て涙が出てきて。もうヘロヘロになりながら「なんかさ、私たちさぁ、復活しよっか」って言ったんです。

──体調が悪かったから、シンプルに考えられた?

渡瀬:それ! それがすごく大きかった。あの体調絶不調はなるべくしてなったって、あとで思ったくらい。それで今度の復活は期間限定ではなく、ゆっくりかもしれへんけど、やれるだけやるっていう復活にしよって。どうかな?ってみんなに相談したら、「やろ、やろ!」って。「やっと言ってくれたね、嬉しいよ」みたいな感じだった。

──初めて渡瀬さん発で、物事が動いた。

渡瀬:そうそうそうそう。でもいつでもメンバーは待ってるっていうのはわかってたんよ。メンバーはLINDBERGをやりたいっていうのを本当に感じてたの、ひしひしと。

──そのなかでやらない決断をし続けるのも、けっこうなパワーが必要ですね。

渡瀬:それはそうですよね。身勝手な気がしてくるからね。だからこそ、心からありがたいなと思いました、メンバーに対して。

──そういう28年が詰まった映像作品と思うと、感慨深いですね。

渡瀬:ほんとやね。まだ通しては観てないんやけど、一気に観たら何を思うんやろうなぁ……。

──なかでも特に印象に残るミュージックビデオは?

渡瀬:「もっと愛しあいましょ」かな。それまでLINDBERGって実はけっこう3枚目の部分とか遊び心を持ってるのに、そういうのを全面的に出してなかったんです。だけどこのミュージックビデオで私がもう、ブワーって根を出してしまったのね。私、吉本新喜劇を見て育った、「なんでやね~ん!」みたいなの大好きっていうのが根っ子にあるから。頼まれてもいないのに、スタッフが「それ以上はやばいですよ」っていうくらいノリノリではっちゃけて。振り付けもある曲やからファンの人にとってもLINDBERGのまた新しい面を知った感じで、それはそれで楽しんでくれた曲やと思うのね。で、このミュージックビデオをきっかけに、遊び心っていうのをすっごい大事にするようになったの。

──ミュージックビデオにおいて?

渡瀬:ライブにおいても。すべてにおいて。

──それまでも、どこかで素を出したいっていう気持ちもあったんでしょうか。

渡瀬:たぶん、そんなことも考えてなかったと思う。ただそのとき、ほんとに自然にはっちゃけちゃったの。

──おおむね何にしても、そうですね。そのとき、自然に、そうなった(笑)。

渡瀬:ははははは。ほんとだね。そんとき自然にそうなって、それ以来、自分が楽しむってことが、めっちゃ大事やって思うようになった。この楽しい感じが人に伝わって、つられ笑いじゃないけど、こっちが笑ってるから向こうも笑っちゃうみたいなの、いいなって。だからライブの構成にも絶対に面白いことを入れようや、ってなって。クスッって笑うとこ、必ず一ヵ所は入れてる。むしろそこに力入れてるし(笑)。なので、そのミュージックビデオが、いろんな意味でのターニングポイントになりました。

──そしてミュージックビデオで追うLINDBERGヒストリーのラストは新曲「Fresh」。

渡瀬:この曲、まずタイトルから説明すると、決して「New」ではなく「Fresh」なんですね。やっぱり年齢を重ねてキャリアを積むと、例えば何かを手に入れたいと思っても、それを素直に言えない状況だったり、そうはいかない状況っていうのもあって。歌詞のなかに<素直に生きることはシンプルでディフィカルト>って書いてあるけど、ほんとにまさにそうで。素直に生きるのって一番いいけど、実は一番難しかったりするし。だから「Fresh」って、今までのことを否定するのではなく、今までやってきたことを認めつつ未来のことを大切に思うっていう意味で使ってるんです。だからミュージックビデオも、そういうものを柱に撮ったつもりなので、「もっと愛しあいましょ」みたいにハジけるところはないんやけど、今までとは違ったフレッシュなLINDBERGが出てると思うんですよね。

──でもいいものですね、こういう形でバンドの歴史を一望できるって。

渡瀬:幸せやろ~。こうして自分の歴史を残していけるって、ほんとに幸せやね。しかもちゃんとした作品の形で。私、ほんとラッキーガールやから。ついてるから。人に恵まれてるから。

──ぜひこのまま、まずは30周年を目指していただいて。

渡瀬:その年、私も大台に乗るんやろ。どんな感じかなぁ、50歳。まぁ頑張るけどね、みんなに夢を与えられように。みんなに笑顔になってもらえるように頑張るつもりではいる(笑)。