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BBCだけの問題ではない、男女間の賃金格差 全英規模で公表へ

7/29(土) 10:02配信

The Telegraph

【記者:Radhika Sanghani】
 英BBCはこのほど、高所得者の給与を公開した。その内容は、とても褒められたものではなかった。最高額は、クリス・エヴァンス(Chris Evans)氏の220万~249万ポンド(約3億1800万~3億6000万円)。女性の最高額はというと、クラウディア・ウィンクルマン(Claudia Winkleman)氏の45万~49万9000ポンド(約6500万~7200万円)だった。

 BBCニュース(BBC News)全体でも、同様のパターンが見られた。ジェレミー・バイン(Jeremy Vine)氏が70万ポンド(約1億円)以上稼いでいるのに対し、フィオナ・ブルース(Fiona Bruce)氏は、知名度の高い大半の女性と同じく、40万ポンド(約5800万円)に満たなかった。

 事実、高所得者リストのトップ10に入った女性はウィンクルマン、ブルースの両氏と「ザ・ワン・ショー(The One Show)」のアレックス・ジョーンズ(Alex Jones)氏のわずか3人。

 これらのデータは、同社が男女間の賃金格差問題があることを公表する中で明るみになったもので、高所得者の3分の2を男性が占めた。15万ポンド(約2200万円)以上稼ぐ96人中、男性が62人だったのに対し、女性はわずか34人だった。

 こうした結果に対する反発はすでに出始めている。ある有名女性司会者は、BBCは莫大な給与を要求しそれを手にしている「惑星規模のエゴに満ちた男性大物知識人」だらけと発言しており、一方ツイッター(Twitter)では、数百人以上がこうした男女格差の原因である「性差別のまん延」を非難している。

 中には、クラウディア・ウィンクルマン氏が女性の中で最も稼げたのは、苗字に「man(男性の意)」の文字が入っているためだとの皮肉交じりのコメントもあった。

 しかし、これはわれわれ全員が肝に銘じておくべきことだが、こうした事態はBBCに限ったものではない。新法の下では、従業員数250人を超える企業は賃金格差の公表が義務付けられており、給与帯ごとの男女比や賞与の男女格差も公表しなければならない。来年4月までの実施が義務付けられている対象企業は約9000社に上っており、全国調査から判断すると、その多くはBBCと同水準の結果が見込まれる。

 英国では現時点で、男女間の賃金格差は約18.1%に上る。2016年の賞与に関する調査では、男性の43%が賞与を受け取り、平均額が2059ポンド(約30万円)だったのに対し、女性の受給率は38%で、平均額は男性のほぼ半分にあたる1128ポンド(約16万円)だった。こうした国内平均値を考慮すると、今回対象となる9000社のデータがどのようなものになるかは想像に難くない。

 男女間の賃金格差を真に排除するという実際の改革に踏み込むには、全ての企業が従業員に支払う報酬に関して透明性を高めているかどうかを確認する必要があり、そのことが不平等に立ち向かう最初の一歩でもある。

 BBCを攻撃するのは簡単だ。BBCは税金で運営されており、取り仕切るのは知名度の高い大物たちだ。毎日見たり聞いたりしている人々の給与を知ることは、心引かれることでもある。だが男女間の賃金格差が問題になっているのは、彼らばかりではない。これは社会問題であり、今後8か月の間にいかに深刻な問題か分かるだろう。

 われわれはその時になって初めて、すべての重役や最高経営責任者(CEO)たちがBBCのトニー・ホール(Tony Hall)会長が(過去3年の女性の起用や昇進について)語ったのと同じ言葉を口にするのを見るかもしれない。「これは十分な前進だろうか? まったくそうではない」 【翻訳編集】AFPBB News

最終更新:7/29(土) 10:02
The Telegraph