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福島第一3号機、“核心” 捉えた水中ロボ、9月にもデブリ取り出し方針決定へ

7/29(土) 13:08配信

日刊工業新聞電子版

■「ミニマンボウ」、有線操作クリア

 東京電力は福島第一原子力発電所3号機の格納容器内部を調査し、核燃料などの溶融物が冷えて固まった「燃料デブリ」と見られる塊の撮影に成功した。最も不安視されていた水中ロボットが原発事故の核心を初めて捉えることに成功した。燃料デブリの取り出し工法を決めるための重要な知見になる。

 東電原子力・立地本部の木元崇宏部長代理は、「困難な調査に対し、機体は小さい。大丈夫かと心配していたが、やってくれた。我々から大々的に成功とは言えないが、廃炉に向けた大きな一歩だ」と目を細める。

 3号機は格納容器内が約6メートルの高さまで水没しているため、水中を進めるロボットを採用した。圧力容器を支える円筒状架台(ペデスタル)の中に進入し、燃料デブリの撮影がミッションだ。

 東芝と技術研究組合「国際廃炉研究開発機構」(IRID)が調査法や機体を設計。有線操作の「ミニマンボウ型ロボ」を開発した。ミニマンボウへの懸念は操縦用のケーブルが障害物にひっかかり、動けなくなることだ。ペデスタルの入り口が、がれきなどでふさがっている可能性もあり、燃料デブリが落ちているとみられるペデスタルの地階にたどり着くまでケーブルを引っかけないか心配されていた。

■アクセスルート確立、取り出し法探る

 調査の結果、地階の中央で岩状の固形物が広く積み重なっているのを確認。また、ペデスタルのへりでは砂状や小石状の固形物、形状を留めたまま落下した格子状床(グレーチング)などを視認できた。

 大きな塊は中央に残り、小さな塊は冷却水に流されて外側に移動していると考えられる。今後、中央の塊の高さや大きさから溶融時の粘度や温度、層状に重なった層数から溶け落ちた回数などをそれぞれ分析する。

 また圧力容器の下では構造物に溶けて垂れ下がった固形物も発見。ペデスタル地階の作業員用の開口部は、堆積物や構造物で近づけなかった。開口部から溶融物がペデスタルの外に広がっている可能性は高い。開口部の高さは約2メートルでペデスタルの直径は5・4メートル。堆積物の高さを2メートルと仮定すると、約46立方メートルの堆積物や構造物が存在することになる。

 デブリは格納容器底部のコンクリートを溶かして一体になりながら沈んでいったとシミュレーションされている。底の上に数十立方メートルの堆積物があるならばコンクリートへの溶け込みは想定よりも少ないかもしれない。

 撮影した映像は画像処理で鮮明にし、格納容器の3Dモデルと照合し、損傷分布図を作る。情報を元に9月に国と東電はデブリ取り出し方針を決める。

 今回デブリへのアクセスルートや手法を一つ確立したことで、サンプル回収や工法検証の足がかりができた。木元部長代理は「廃炉へはまだ長く困難な道が続いている。一歩一歩前に進んでいきたい」と力を込める。