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「シャインマスカット」高価格販売・輸出へ 佐賀

7/29(土) 10:21配信

佐賀新聞

 西松浦農業改良普及センター(伊万里市)は、市場で根強い人気を誇るブドウの新品種「シャインマスカット」の高単価での販売や海外輸出を念頭に、栽培や長期保存の技術を研究している。園地ごとに異なる土壌の水分量を測定するpFメーターと自動かん水装置の導入を推進し、高いレベルで品質を均一化。からしから抽出した製剤や特殊な包装資材を用いて3カ月以上の鮮度保持にも成功した。

 シャインマスカットは、甘さと皮ごと食べられるのが特長で、7~8月が出荷の最盛期。県内では2008年に初めて導入され、伊万里・有田地区では1・76ヘクタールで栽培されている。少量ながら香港にも輸出しており、昨年は1キロ当たりの平均単価が千円を上回った。ただ、在来種よりも乾燥に弱く、水の管理技術によって品質にばらつきがみられることが多かった。

■生育、収量安定

 「最初は苦労したが、玉太りも良くなって収量も上がっている」。シャインマスカットを栽培し続けている古野清治さん(62)は、pFメーターと自動かん水装置を導入して以来、経営が安定してきたという。特に今年は干ばつ傾向だったが、例年以上に実った房を見上げて笑みを浮かべた。

 土壌の水分量は外観では判別が難しい。シャインマスカットの栽培マニュアルでは、水やりは「3日に1回、30~60分」が目安だが、気象や園地の条件によっては水分が不足し、生育不良につながりかねない。一方、株元に差したメーターが示す値を一定にすれば常に適量の水分を保持でき、自動かん水装置と組み合わせると作業時間の短縮にもなる。管内では9戸の農家が導入している。

■値崩れ防ぐ

 販売面では、贈答品シーズンを終えた盆明け以降は優位性を保つことが難しいといった課題がある。香港への輸送に加え、収穫後に一定期間貯蔵して出荷を調整することで値崩れも防げるため、長期保存の研究を進めてきた。

 枝の先端に水を入れた鮮度保持容器や、からし成分の製剤、特殊フィルムによる包装で実験。輸出には軽量の製剤が優れ、貯蔵に関しては鮮度保持容器とフィルムを組み合わせた場合、冷蔵で3カ月以上の保存が可能との結論が得られた。

 JA伊万里のぶどう部会は2019年度に3・5ヘクタールでの有望品種の導入を目指すなど、生産拡大に力を入れる動きが広がっている。同センターの高須陽介研究員は「農家の所得を上げることで若い意欲のある生産者の取り組みを促し、産地の形成につなげていきたい」と話す。

最終更新:7/29(土) 10:21
佐賀新聞

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