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平泉寺ツアー大人気、ガイドから悲鳴 「高齢者には厳しい」

7/30(日) 8:24配信

福井新聞ONLINE

 開山1300年を迎えた福井県勝山市の白山平泉寺には連日のようにツアー客らが押し寄せ、例年とは様相が一変している。週末だけでなく平日もにぎわい、案内する観光ガイドはフル回転状態だ。多くの来客を喜ぶ声もあるが、1人が広い境内を1日複数回、案内するケースもあるなど、あまりの多さにてんてこ舞い。高齢化も進み体力的にも厳しくなっており、にぎわいを支えるための対応に苦慮している。

【写真】観光客でごったがえす境内

 「開山記念で県外ナンバーの車、ツアーバスが今春から一気に増えた」。駐車場で待機する市観光ガイドボランティアクラブの中村禮子さん(75)は汗をぬぐった。

 気温は30度超。境内のほとんどが階段で、マイクでしゃべりながらの案内は息が上がる。先日は旧参道がある菩提林(ぼだいばやし)から境内の奥にある三の宮まで3時間かけ案内し、さすがにぐったりした。「この暑さの中、すごい体力が必要。高齢者には厳しい」

 ガイドの受付窓口となる市観光政策課によると、平泉寺は例年、春と秋が観光シーズン。今年は全く違う。

 ツアー会社などの申し込みは4月に31件(案内人数894人)。5月には過去最高となる50件(同1483人)を記録。6月にはさらに記録を更新する101件(同4810人)となり、夏もほぼ毎日、びっしりと予約で埋まっている。同課の担当者は「たくさん来ていただけるのは喜ばしい」とする一方で、「数が想像をはるかに超えている」とする。

「1日中とぎれない」

 ボランティアクラブによると、ツアーは宿泊料が高く道路が混雑する土、日曜日を避けた平日が多い。主に関東からのツアーは近県などで前泊して午前中に訪れ、午後からは日帰りの関西・中京方面の客が詰め掛けて、と「1日中とぎれない」(関係者)。

 ガイドは23人が登録しているが実働は12人ほど。1回当たりの案内は平均60~80分。観光客20人にガイド1人を付けるのを基本としているものの、30人に1人に緩和したケースや、1人で1日3回案内を担わざるを得ない日もあった。

 6月には大手ツアー会社の企画で一度に約1500人が訪れ、ガイドを境内2カ所に固定配置する形で対応。市職員も対応して、なんとか乗り切った。

 市ではガイドを募集しているが、平日も活動するため、なり手は限られる。さらに一人前になるには「早くても2年かかる」(水上芳捷(よしかつ)ボランティアクラブ会長)。それでも少しでも人員を増やせないかと、1回千円のガイド料金を引き上げる検討に入った。

 水上会長は「メンバー数が限られている上、高齢者が多く今の季節は厳しい。人員配置に気を配って、なんとか乗り切れれば」と、このにぎわいを支えたい考えだ。