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関西エリア、電力値下げ相次ぐ 中小製造は一様に歓迎ムード

7/30(日) 8:00配信

日刊工業新聞電子版

■関電・新電力、サービス多様化

 関西地区で電気料金をめぐる競争が激化している。8月1日に関西電力のほか、大阪ガスを筆頭とする新電力会社が、相次ぎ値下げする。値下げは、全国的にも高い電気料金を強いられてきた関西の中小企業の収益改善につながると期待される。日刊工業新聞社は電力事情を探るアンケートを実施し、関西の中小製造業56社の回答を得た。調査から関電ユーザー、新電力ユーザーの行動パターンの違いも明らかになった。

 「競争になれば料金が下がる。消費者にはありがたい」(坂栄孝坂製作所社長)。今回の値下げを関西の中小は一様に歓迎しているようだ。荒木秀之りそな総合研究所主席研究員は「原油価格や人件費などが上昇する中、多くの中小は(製品への)価格転嫁がしにくい。電力値下げは数少ないコスト低下要因になる」とメリットを指摘する。

■数少ないコスト低下要因

 回答企業56社が契約する電力会社は、関西電力32社(57・1%)、大阪ガスを含む新電力23社(41・1%)となった(1社は不明と回答)。大和ハウス系の新電力と契約する木田バルブ・ボールは「切り替えた一番の狙いはコスト削減。2016年は前年比20%、年間300万円以上をコストダウンできた」(木田浩史社長)と明かす。

 5月にリコー系の新電力に切り替えた理化学機器メーカーの経営者は「使用料金は一緒だが、基本料金が安く設定され、関電よりも安くなった」と強調する。

 関電と大ガスの今回の値下げに対する中小企業の対応は、関電と新電力のユーザーで分かれた。関電ユーザーは「引き続き(関電と)契約する」が90・6%と圧倒的多数。一方で、大ガスなど関電以外の新電力ユーザーは69・6%が「継続」としつつ、30・4%は「関電の提案を聞いてみたい」と回答した。新電力ユーザーは料金について常に比較する姿勢を持っているようだ。

■電力・ガス、事業者の思惑外れる

 関電と大ガスはともに電気とガス料金のセット割引を提案している。ただ調査ではセット割の未契約者が92・9%あり、電力・ガス事業者の思惑が外れていることが明らかになった。

 多くの中小企業は東日本大震災以降、できる限りの節電対策に取り組んできた。今後も発光ダイオード(LED)などの照明設備や空調、製造設備の順で省エネルギーシステムの導入を検討する。また、電力自由化で電力会社に求めるものを聞くと「電力値下げ」や「電力の安定供給」「省エネの提案」の回答が目立った。

 関電は高浜原子力発電所3、4号機の営業運転を再開し、さらに17年度中に関電最大出力の大飯発電所3、4号機の再稼働が控える。これで関電はさらに値下げに踏み込む方針だ。値下げ実現の前提条件となる原発の再稼働は、回答企業の75%が「安心・安全を確認した再稼働は必要」と、好意的に見ている。

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