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継父に育てられた子への実父からの遺言書。争いのない相続へ繋がる「付言」の活用で伝わる想い。

7/30(日) 9:00配信

マネーの達人

田中さん(仮名)ご一家の事例です

田中さんは再婚しています。

先妻Aさんとは性格の不一致で協議離婚されましたが、先妻Aさんとの間に子Cさんがいます。

再婚相手の妻Bさんとのあいだにも子Dさんがいます。

■がん宣告を受け、自分の相続について考える

田中さんは、気がかりなCさんのためにも、遺言書を作成して、あらかじめ渡す財産を指定しておくことにしました。

■2年後、相続発生

遺言執行者が、Cさんにお会いしお話をお伺いしたところ、実父の田中さんとはCさんが7歳のときに離婚され、その後実母Aさんも再婚したそうです。

Cさんは、実母と継父、Hさん(母と継父の子)と暮らしていました。Cさんは7歳のときにお父さんと別れてしまい、顔もご存じないとのことでした。

そこで、お父さんの生前のお写真をお送りすることをご提案したところ、とても喜んでいたそうです。

□■Cさんにとって大切なこと■□

お父さんが「気にかけていた」というその気持ち。

生前のお父さんを知ることのできる写真。

子に思いを馳せる

さまざまな家庭環境があり、それだけの相続の形があります。

私の経験では、話し合いで遺産分割がまとまらない場合は、

・ 法定割合で請求される
・ 放棄される

かのいずれかです。

放棄を選択される場合も意外と多いのが現状です。

相続が発生した際は、ぜひ、同じ親から生まれた他の相続人のことにも思いを馳せ、分割を決めてください。

■付言の活用

公正証書遺言にも付言として「思い」を書くことはできます。法的拘束力はありませんが、まとまる相続にするためには大切な一文となることもあります。

たとえば上記のケースでは先妻の子が相続の時に困らないために作成したわけですから、遺言者のお話をじっくり聞いた上で、先妻の子に対し
「ずっと気にしていた」
など、相続人が聞きたかったこと、聞いてよいと思う事実を記載するとよいでしょう。(執筆者:橋本 玄也)

最終更新:7/30(日) 9:00
マネーの達人