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終わらない原発事故 福島の母親に現状聞く

7/30(日) 11:02配信

カナロコ by 神奈川新聞

 2011年に発生した東日本大震災に起因する東京電力福島第1原子力発電所の事故。拡散された放射性物質の健康への影響を懸念し、福島県や近隣自治体から一時避難を兼ねた「保養活動」に訪れる親子から現状を聞き、川遊びなどを共に楽しむ地域交流会が29日、平塚市の金目公民館などで行われた。住民ら約40人が参加し、当事者が語る「終わらない原発事故」の現状に耳を傾けた。

 有志の市民団体「福島の親子とともに・平塚」(小嶋倫子代表)が25日から、約2週間で6家族21人を受け入れている。受け入れは12年夏から始め、今回で16回目となった。

 地域交流会では、参加者が4家族と川遊びやスイカ割りなどを楽しむ傍ら、福島の実情などを聞いた。

 保養活動を経て郡山市から娘と共にこの春、湘南地域に転居したという母親(42)は、事故直後から長期休暇時はもちろん、休める時期を見つけては保養先を探し、北海道から沖縄まで数十カ所を“避難”してきた。「(郡山市は)ことし3月でも0・1~0・2マイクロシーベルトの線量があり、除染土壌などは庭に穴を掘って埋めていた。食材選びのストレスや子どもへの低線量被ばくへの心配が常にあった。転居で子どもも外で遊ばせることができるようになり、体も丈夫になった」と説明した。

 現在も福島市に居を構える母親(31)は子ども3人と初参加。「保育園では泥遊びに親の同意書を求められた。自分の子だけ遊べないのはかわいそう、との指摘を受けて渋々サインしたが、小さい子は口にしてしまう可能性もある」と複雑な心境を明かした。「将来的に福島の子どもたちが健康被害や差別を受けないか不安はあり、原発事故が収束していない今も外遊びはさせられない。平塚で思い切り遊び、心のデトックスをさせてもらえたら」と受け入れに感謝した。

 近くの学童保育の児童と参加した指導員の市川ひとみさん(37)は「事故直後は平塚でも不安な状況はあったが、福島では今でも続いている。現地で生活する方の生の声を聞いて、子育て中の親御さんたちにも伝えられたら」と話していた。