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あのフジロックフェス出演の「むぎ(猫)」って、どんなアーティスト? 本人と飼い主さんに聞きました

7/30(日) 1:05配信

沖縄タイムス

 ♫歌って踊って、木琴も奏でる。人気急上昇の猫です

 国内最大級の野外フェス「フジロック・フェスティバル2017」が、新潟県湯沢町苗場スキー場で開催中だ。28~29日の3日間で、ビョークや小沢健二、水曜日のカンパネラら国内外から約200組のアーティストが登場し、圧巻のステージを披露する。全国のバンドマン憧れの場・フジロックに今年、沖縄関係のアーティストはCocco、Anly、むぎ(猫)が出演する。

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 「ん?  むぎ(猫)って?」と思った皆さん!  むぎ(猫)は、活発なライブ活動と一度見たら忘れられないキャラクターで、人気上昇中のアーティストなのです。

 むぎ(猫)は、歌って踊って、木琴の演奏までできる猫だ。普通の猫と違う点はただ一つ、「天国帰り」という事。8年前に永眠して5年間の天国暮らし。2014年3月に飼い主のゆうさくちゃん(米須雄作さん)が手作りで新しいカラダを生み出し、再びこの世に舞い戻ってきた猫なのだ。

 異色の存在ながら愛くるしい外見と確かな演奏力、エンターテイメント性の高いステージで人気を集めるアーティストだ。今年6月にはワンマンライブも成功し、オリジナルアルバムもリリースした。りんご音楽祭(長野県)などにも出演し、県外へ活動の場を広げている。

 フジロックでは、30日午後6時30分から苗場食堂のステージに登場する。沖縄から全国へ。勢いに乗るむぎ(猫)に意気込みや音楽活動について聞いてみた。

 ♫「本当に本当に最高です!」・・・むぎ(猫)

―フジロック出演、おめでとうございます。

 「憧れのフェス、本当にうれしい。昨年も今年も淡い期待を胸にフジロックフェスの日程は空けていましたが、まさか夢がかなうなんて。フジロックは幾つもステージがありますが、僕は日中は食堂、夜はステージに一変する苗場食堂で歌います。観客と距離がとても近い、アットホームな場所。僕のライブはミュージカルや人形劇などの要素も盛り込んでいるので、雰囲気的にも最高です」

 「出演決定の内定から公式発表まで長い間があり、みんなに伝えたくてウズウズしていました。ワンマンライブもその期間内だったので、舞台から『フジロック行くぞー』と叫びたかった~」

 ♫「みんなの笑顔がみたくて」・・・むぎ(猫)

―どうして音楽をしているの? 

 「天国から戻ってきた時は、音楽どころか、言葉も話せない普通の猫でした。ゆうさくちゃんと一緒に、那覇市の国際通りや北谷町美浜を散歩するだけで満足。猫関連のイベントに招待された際、『なにかパフォーマンスしたいな』と考えて。音楽に決めたのは、バンド活動をしていたゆうさくちゃんの影響かな」

 「そのイベントで観客の反応がとても良く、多くの人から名前を呼んでもらって僕もうれしくて。ゆうさくちゃんも『本当にむぎが生き返った』と大喜び。もっとみんなに喜んでもらいたくて、本格的に始めました」

―ライブは年間にどのくらいですか? 

 「30本くらいでほぼ毎月あるかな。東京や京都、群馬、長野にも行きました。アルバム『天国かもしれない』もリリースしたので、もっともっと沖縄で演奏したいし、県外にもお呼ばれされたい」

 「6月24日のワンマンライブ(那覇市・桜坂劇場)では、観客230人以上が集まりうれしかった。僕は体力的に40分くらいが限界ですが、ワンマンライブだと2時間…。どうしようと悩みましたが、合間合間に撮り下ろしの映像上映を挟むことで解決。エンターテイメント性も高まり、僕も一息つけて最後まで歌えました」

―むぎ(猫)の魅力を教えてください。

 「歌だけではないエンターテイメント性かな。大人も子どもも、初めてのお客さんも楽しめる舞台を目指して、ちょこちょこ工夫しています。踊ったりコントをいれたり。楽器の演奏もそう。僕の指だとピアノは鍵盤がひけず、ギターだと弦を抑えられないけど、木琴ならいけます。ゆうさくちゃんがドラマーなので、練習はみっちり。ぜひ、みんなにきいてほしい」

「ビジュアル的に子ども向けかな~と思われがちだけど、実はファンのほとんどは大人。ポップなメロディに、言葉遊びのある歌詞が受け入れられていると思う。今後も頑張っていくので、応援お願いします」

 ♫「全力でサポートします」・・・ゆうさくちゃん

 むぎ(猫)の飼い主・ゆうさくちゃんには、むぎへの思いをうかがいました。

―むぎとの出会いは? 

 「小学校からピアノや打楽器などを学び、東京の音大に進みました。生活環境の変化が激しくて、入学後すぐにホームシックにかかり、沖縄に帰ろうか真剣に悩みました。ちょうどその時、近所の動物病院が猫の里親を募集していて、ペットがいたら乗り切れるかなと引き取りました。それがむぎです」

 「大学卒業後は一緒に沖縄へ帰りました。20代をずっと一緒に暮らしてきた相棒なので、2009年にむぎが亡くなったときの喪失感は大変でした…」

―むぎ(猫)との出会いは? 

 「強いペットロスになっていた私ですが、14年に犬の着ぐるみでオルガンの弾き語りをするアーティスト・ジョン(犬)の沖縄ライブを観て、『あっ、これだ!』と思いました。公演後にジョン(犬)からいろいろ話を聞いて、むぎの『新しい身体』を作りました。そうしたら、天国からむぎが戻ってきてくれました」

―ゆうさくちゃんのお仕事は? 

 「今はむぎ(猫)の専属マネージャーですね。以前は臨時教員として学校で音楽を教えていましたが、自分で表現したい熱が強まり、『マルチーズロック』(筆者注・沖縄県内で根強い人気のあるバンド。独特の世界観がたまりません! )のドラマーになりました。ちえみジョーンズさんやきいやま商店のサポートメンバーとしてドラムをたたくこともあります」

 「自分の音楽活動のかたわら、むぎ(猫)のマネジメントをしていました。ところが、両者の公演スケジュールが重なる事が増えてきたので、マルチーズロックを今年卒業。今はむぎ(猫)に全力です。その点からもフジロック出演は励みになります」

―むぎ(猫)へのエールを。

 「『むぎは元気?』『今日はむぎは一緒じゃないの?』とよく声をかけられる度に、『むぎが生きている』としみじみうれしくなります。ありがとうと感謝です。むぎ(猫)が行き着くところまで、全力でバックアップしていきます」

 ♫「木琴の音色、いい」・・・沖縄のDJ

 「沖縄インディーズからの抜擢・・・。さすがフジロックと衝撃を受けた」と話すのは、沖縄で活動するDJの一人。むぎ(猫)のフジロック出演は、りんご音楽祭など積極的な県外での活動が実を結んだとみる。「むぎ(猫)はキャラクターも確立しているし、見た目のインパクトもある。何よりも木琴の音色が心地よい」とも評価。フジロック出演で認知度も自信もついたむぎ(猫)の、今後の飛躍が楽しみと期待をこめた。(沖縄タイムス社デジタル部・村井規儀)

最終更新:7/31(月) 12:15
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