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絵師列伝260年を一望 金沢21美で開催中の「江戸絵画の真髄展」にぎわう

7/30(日) 1:50配信

北國新聞社

 金沢21世紀美術館で開催中の東京富士美術館所蔵「江戸絵画の真髄(しんずい)展」(北國新聞社、一般財団法人石川県芸術文化協会主催)は29日、開幕後初の週末を迎え、団体鑑賞に早速訪れた愛好家グループをはじめ、大勢の来場者でにぎわいを見せた。さまざまな様式や画法が一挙に花開いた江戸絵画260年。その「絵師列伝」を一望できる展覧会とあって、鑑賞者は名作の一点一点に目を凝らした。

 近年の空前の江戸絵画ブームを牽引(けんいん)してきた俵屋宗(そう)達(たつ)から伊藤若冲(じゃくちゅう)、渡辺崋(か)山(ざん)まで、屏風(びょうぶ)や掛け軸など54点が一堂に会した。宗達や本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)が創始した琳(りん)派(ぱ)をはじめ、江戸画壇に君臨し続けた狩野派(かのうは)、それと肩を並べた土佐派の逸品が圧倒的な存在感を放った。

 大和絵の深く長い伝統の上に、きら星のごとく現れた若冲や曾我蕭白(そがしょうはく)といった奇想派、さらには円山応(まるやまおう)挙(きょ)や長澤蘆雪(ながさわろせつ)ら円山派、池(いけの)大(たい)雅(が)や崋山ら文人画など、各派を代表するスター作家の真作がずらりと並んだ。

 世界的にも江戸絵画の評価は高まっており、その発展の歴史を北陸の地で俯(ふ)瞰(かん)できる貴重な機会を逃すまいと、美術愛好家から家族連れまで人波ができた。お気に入りの作品を見付けては、筆運びの妙を食い入るように見る姿もあった。

 金沢市松ケ枝公民館の文化部セミナーで34人と一緒に団体鑑賞した井口(いのくち)紀美さん(76)=同市武蔵町=は「伝統から独創まで、時代ごとの特長を見比べられる展示が素晴らしかった。中でも若冲の『鶏図(にわとりず)』からは作者のすごい集中力が伝わってきた」と感嘆した。

 展覧会では、東京富士美術館の約3万点のコレクションから選び抜いた江戸絵画45点と、古九谷様式などの工芸品9点が展示され、半数以上が県内初公開となる。入場料は一般1200円、中高生1千円、小学生800円。8月26日まで。

北國新聞社

最終更新:7/30(日) 1:50
北國新聞社