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荒井、島田氏の生きざま発信 沖縄戦 語り交流

7/31(月) 5:00配信

琉球新報

 【栃木県で新垣毅】1945年の沖縄戦当時、住民の疎開・避難に奔走した荒井退造警察部長=栃木県出身=の生きざまから何を学ぶかをテーマにしたフォーラム(主催・NPO法人菜の花街道など)が30日、栃木県の宇都宮市立南図書館のホールで開かれた。荒井氏は当時の島田叡(あきら)知事=兵庫県出身=と共に沖縄の住民10万人以上の疎開に尽力した。討論会で登壇者らは「荒井氏は県民の命を守る公職を全うし、命どぅ宝を実践した。その思いを後世に伝えていこう」などと呼び掛けた。約400人が熱心に話を聞いた。


 フォーラムには、沖縄から嘉数昇明元副知事が登壇、他にも沖縄県関係者16人が出席した。島田氏の出身校・兵庫県立兵庫高校からも同窓会の小林正美武陽会副理事長が登壇した。沖縄・兵庫・栃木の「トライアングルパネル討論会」と銘打ち、3県が連携して荒井、島田両氏を顕彰する交流は初めて。今後、3県持ち回りでフォーラムを開くなど連携・交流して両氏の「生きざま」を発信していくことが提起された。11月27日には3県の関係者が出席し、沖縄で両氏の慰霊祭を催すという。


 基調講演でノンフィクション作家の田村洋三氏は、荒井氏から学ぶべきは「たじろがず公職に殉じた公僕の精神」と強調。その精神的な素地となったのは母校・旧宇都宮中学校(現宇都宮高校)に受け継がれてきた「瀧の原主義」であるとして「それにうたわれた万民平等、人間の尊厳などの精神を体現した」などと指摘した。田村氏は島田、荒井両氏を描いた本「沖縄の島守」を著した。

 討論会で、小林氏は島田氏の功績をユネスコの世界記憶遺産に登録することを目指し取り組んでいると報告した。太田周・前作新学院大学長は栃木県19大学で共有を目指す「栃木学」構想に「荒井氏の生きざまを取り入れ、若者の糧にしたい」と述べた。

 冒頭、栃木県の福田富一知事があいさつで「これを機に3県の交流が発展していくことを心から願う」と話した。

琉球新報社

最終更新:7/31(月) 11:58
琉球新報