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海老蔵のケースは…妻と死別の夫が再婚ためらう“3つの壁”

7/31(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 2020年前後とされる襲名披露を巡って、近い将来、再婚するのではないか。そんな見方がささやかれているのが、市川海老蔵(39)だ。ブログに連日のように亡き妻への思いをつづっている今はないだろうが、“成田屋の一大イベント”となれば、あながちうがった見方でもないだろう。その行方は見守るとして、一般に、妻と死別した男の再婚は難しいという。死別再婚について考える――。

 本人の性格や子供の年齢、婚姻期間など死別再婚を考える上で、重要な要素はいくつもある。一つ一つの重みは、人それぞれ違うだろうが、何が壁になるのか。

 SBIモーゲージ(現アルヒ)元取締役執行役員常務で、ビジネスコンサルタントの横山信治氏は昨年、35年連れ添った妻をがんで亡くした。横山氏が言う。

「講演では、『悲しみを直視して向き合うほど、悲しみは時間とともに癒える』と語ったりしていますが、できませんね。沖縄の石垣島には、毎年のように2人で出掛けましたが、万が一行った時の自分がどうなるのか想像できずに行けません。何に逃げるかというと、仕事です。あくまでも個人的な見解ですが、私の周りでも何人か病気で妻を亡くした方がいますが、再婚していない人はそろって仕事に励み、再婚した人は引退しているんです。話し相手の有無なんでしょう。仕事があれば少なからず話し相手がいますから」

 掃除、洗濯、炊事など家事そのものはつらくないという。しかし、普段仕事で家を空けることが多いと、いろいろな物の場所が分からなくなる。

「それで、今でも『あれどこだっけ?』と口から出そうになる自分に気づいたとき、つらくなるんです。もう妻はいないんだと。だから、家にはあまりいたくなくて、目いっぱい、仕事の予定を入れます。休みは月に1日くらい。その時は、一人カラオケで妻を思い出して泣いています。それでも恋愛する気は満々ですが、相手はいないし、いても再婚までは考えられません」

 妻への悲しみの逃げ道が仕事で、それがあるから悲しみの解消が先延ばしにされ、妻への愛情を引きずることが再婚への壁になるのが1つだろう。

■がん患者の子供は平均11歳

 2つ目は、やっぱり子供か。東大医学部付属病院放射線科准教授の中川恵一氏が言う。

「晩婚化と晩産化で、がんになった親の平均年齢は、男性が46歳、女性が43歳で、子供は平均11歳です。一般のライフサイクルだと、親は子供が成人して20~30年後に亡くなりますが、そうではないケースが少なくありません。そんな一般的な順序が崩れると、残された家族に影響が大きい。特に子供です。それが再婚の大きな障害になりやすい」

 横山氏は、悲しみの逃げ道を仕事に見いだしたが、一般に逃げ道をつくれずうつになる男性は少なくない。妻と死別後1年以内にうつを発症する割合は、独身者より15%高く、1年以内の自殺率は66倍にハネ上がる。これが3つ目。逃げ道がなくても再婚どころではないが、少しでも前向きに生きるなら、仕事に限らず逃げ道をつくるのが無難だろう。