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再生可能エネルギーで「100年企業」へ、サンテックパワーが新戦略

7/31(月) 8:10配信

スマートジャパン

 創業50周年を迎えた、サンテックパワージャパンは、2016年に打ち出した「太陽光+α(アルファ)」の事業戦略をさらに強化する。このほど太陽光発電システムの開発および発電事業、運用保守(O&Mサービス)事業などの既存事業に、その他の再生可能エネルギーの新事業を加えた、次の50年を見据えた「100年企業」を目指す新戦略を発表した。今後、太陽光をはじめとする再生可能エネルギーのトータルソリューション企業として事業拡大を目指す。

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 サンテックパワージャパンの歴史は、前身のMSKが電子部品商社として1967年に創業したところから始まる。1981年には電卓用などの太陽電池製品の販売を開始し、1985年に長野県で太陽光発電モジュールの製造をスタートした。1992年には国内の大手ハウスメーカーと建材型太陽電池(BIPV)を共同開発するなど住宅用太陽光発電システムの事業を積極的に推進。そして、2006年にサンテックパワーホールディングスによる買収で同グループの傘下に入り、2009年に現社名に変更している。2010年からは産業用太陽光発電モジュールの販売を開始。2014年に中国の順風インターナショナルクリーンエナジー(SFCE)の100%子会社となり、これまで順調に実績を積み上げてきた。

 2016年度は新たに太陽光発電所が5サイト稼働し、発電事業が累計8カ所、18MW(メガワット)に拡大した他、O&Mサービス事業を立ち上げ、同社グループが関わった6カ所の発電所と契約を締結した。現在はLIXILの2件を加え合計8サイト、19MWのO&Mを請け負っている。

 業績面ではモジュール価格の低下が影響し減収となったものの、事業の拡大と国内輸入コストや部材調達コスト削減などに取り組んだ結果、増益を達成した。2015年第4四半期から7四半期連続で黒字を記録している。モジュール出荷量は約200MW(産業用86%、住宅用14%)で2015年度並に推移。なお、MSK時代を合わせた累積出荷数は1.3GWを超えるという。

 2017年度については「出荷量を前年比1.5倍の300MWに引き上げ、業績面でも増収増益をめざす」(高瞻社長)方針だ。

「100年企業」を目指す4つの戦略

 こうした中で、サンテックパワージャパンでは、「次の50年を見据えた『100年企業』に向け、太陽光発電は引き続き重要事業としてさらに発展させ、その一方でプラスアルファを強化しなければならない。改正FIT法の施行など再生可能エネルギー産業を取り巻く環境変化も踏まえ、大きく4つの事業戦略を立てた」(高社長)として、新事業戦略を策定した。

 1つ目は「長く安心して使い続けられる太陽光発電システムの開発」だ。太陽光発電は、2016年に発行されたパリ協定を受けてますます重要性が高まる「省エネ」や、「ゼロエネルギーハウス(ZEH)」の普及などを受け、社会的要請が高まりつつある。電力の自家消費を支えたり、将来のエネルギー問題を解決したりする役割が期待される中、システムにも「長く安心して使い続けられる」品質が求められている。

 これを受け同社では、産業向けと住宅向けに、出力を高めるとともに耐久性に優れた太陽光発電モジュールの開発を進める。さらに余剰買取期間が終了する住宅太陽光発電が発生し始める、いわゆる「2019年問題」に向け、住宅用オリジナルのハイブリッド蓄電システムの開発を推進中だ。販売は2018年後半の発売予定で、価格は「市場(の相場の)30%程度下げることを目標に開発している」(高社長)という。

 さらに、ZEH化が難しい既築住宅に対しても、2019年問題への対応や省エネ化提案を行う既築住宅向けのソリューション営業を強化し、2017年12月頃から活動を開始する予定。「営業面でも既築専門のグループを設ける。6〜7人程度でスタートし、太陽光発電システムと蓄電池システムのセット提案を行う」(高社長)とする。

 2つ目は「低コスト・ハイパフォーマンスな発電所開発の強化」を挙げている。新たな発電所開発にあたっては、性能面の向上に加えて、ポストFITを見据えた、低コストな発電所開発・運用が求められている。同社は、発電所開発事業で世界的な実績があるSFCEグループのグローバルでの経験やノウハウ、業界実績を生かし、国内EPCとの連携経験と発電関連機器や部材の調達力を組み合わせ、地域との共生を重視した、安全で健全な発電所開発を目指す。この戦略の基、現在、三重県で同社の関わる案件として過去最大となる23.5MWの特別高圧太陽光発電所の開発を進めており、2019年末から2020年初めにかけて系統連系を予定している。

 3つ目には「発電施設のO&Mサービス事業の強化」がある。改正FIT法では太陽光発電所の保守管理が義務付けられており、発電事業者には発電事業を安全に長期安定的に運用することが求めらるようになった。それに伴い、O&Mの重要性がますます高まっている。同社は、この事業強化の一環として、2017年4月に創設した専門の営業推進グループの機能をさらに充実させる。加えてO&Mサービスグループの人員を増強、機能強化した「O&M遠隔監視センター」をフルに活用し、保守管理事業を加速させる。24時間365日の遠隔監視体制と、パートナー企業との提携による全国規模のサービス体制を整え、案件獲得に取り組む。

 体制強化の取り組みと並行して、新たに3つの保守管理契約を獲得する予定だ。具体的には既に契約を完了した千葉県の案件の他、北海道、長野県内の3つの太陽光発電所で、合計3.6MWの受注を見込んでいる。これら3つの発電所は、サンテックパワージャパンとしては初となる他社製モジュール(インリーグリーン社製)の発電所となる。

 4つ目には「再生可能エネルギーのトータルソリューションの開発」が新たに加わった。同社は、SFCEグループのクリーンエネルギーソリューションを国内で段階的に展開。ポストFIT時代、自家消費時代に向けて、再生可能エネルギーのトータルソリューションを開発し提案することを戦略として考えている。

 具体的には工場、集合住宅、オフィスビル向けに、地中熱ヒートポンプやLEDを導入し、エネルギーマネジメントを提案するビジネスを計画しており、そのための準備段階として、同社の長野テクニカルサポートセンターで実証実験を開始する。順風グループ関連企業のNobao Renewable Energy社(ノバオリニューアブルエナジー、中国・上海)の地中熱ヒートポンプを、2017年度中をめどに導入し、また2017年6月に導入したLEDとともに、工場内の空調や電力コストの削減を図りつつ、1年をかけてシミュレーション値と実際の削減値をデータベース化。そのデータを活用し、将来的にユーザーに対する提案につなげていく。

 さらにもう1つの新規事業として、SFCEグループ関連企業のPowin Energy社(パウインエナジー、米国・オレゴン州)の大型蓄電システムを、2019年以降の事業化をめどに、国内の大型発電施設向けに開発する予定だ。