ここから本文です

ジョブズ夫人立ち上げの社会活動団体、老舗雑誌の筆頭株主に

7/31(月) 17:20配信

ZUU online

Appleの設立者、故スティーブ・ジョブズ氏の夫人であるローレン・パウエル・ジョブス氏が立ち上げた社会活動団体エマーソン・コレクティブが、米国の老舗雑誌「アトランティック」の過半数の株を買い入れることで合意に至った。

買収額などは明かされていないが、出版元であるアトランティック・メディアのほかの資産は、デヴィッド・ブラッドリー会長が続けて保有する。

■3~5年後にはエマーソンに完全売却?

今年64歳のブラッドリー会長は、米国のニュースサイト「AXIOS」が入手した 従業員宛てのメモで、70歳という高齢に近づきつつある今、160年の歴史を誇るアトランティック誌の後継者を2年前から探している意向を伝えた。

6代目となる新後継者の候補者を絞りこんだ結果、ローレン氏の名前が真っ先に浮上したという。

ローレン氏といえば故スティーブ・ジョブズ氏から相続した遺産も含め、207億ドル(約2.2兆円)といわれる巨額の資産に世間の関心が傾きがちだが、熱心な慈善活動家としても有名だ。

ローレン氏はエマーソンでの活動をとおし、教育・移民制度の改正・環境など、社会正義活動を実践して いる。その一環として、メディア・スタートアップUDACITYを支援するなど、ジャーナリズムへの投資にも力を入れ始めている。

ブラッドリー会長は少数の株を維持し、今後3年から5年にわたりアトランティックの運営を続けて行く。ジョブス氏の人柄も高く評価しており、自身のアトランティック誌の継続期間完了後には、エマーソンに残りの株を売り渡すことも視野に入れているそうだ。

ブラッドリー会長が「自分より大きな野望を抱いている人物」と評するローレン氏が、米国を代表する老舗雑誌をどのように先導して行くのか、非常に興味深い。

■「ワシントン・ポスト紙を救った男」ベゾスCEO

IT産業の大物によるメディア買収は、けっして珍しい出来事ではない。

Amazonのジェフ・ベゾスCEOは2013年、厳しい経営状況に置かれていたワシントン・ポスト紙を2億5000万ドル(約276億6250万円)で買収 。後にヒラリー・クリントン氏から 、「ワシントン・ポストを救った男」として賞賛を浴びた(The Vergeより)。

Facebookの共同設立者であるクリス・ヒューズ氏は2012年、同じく米国の老舗雑誌ニュー・リパブリック誌を当時28歳という若さで買収 。しかしベゾスCEOほど復興はうまく行かず、2016年にオレゴン州を拠点とする出版者ウィン・マコーマック氏に売却した。

関係者の話によるとヒューズ氏はニュー・リパブリック誌を210万ドル(約2億3236万円)で買受け、さらに2000万ドル(約22億1300万円)を投じてデジタル・メディアへの改革を試みたそうだが、2015年にはトラフィックが約40%落ちこんでいたことが、デジタル市場分析会社コムスコアのデータから分かっていた(CNNより )。

メキシコの著名実業家カルロス・スリム氏は、2008年から保有するニューヨーク・タイムズ紙の株を徐々に拡大し 、現在は17.4%にまで増やしているという(デイリーメール紙より)。

メディアのデジタル化が加速する近年、こうした動きはますます盛んになるかも知れない。(アレン・琴子、英国在住フリーランスライター)

ZUU online

最終更新:7/31(月) 17:20
ZUU online