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なぜ、世の中には涼しい顔で「定時帰宅」できる人がいるのか?

7/31(月) 17:35配信

ZUU online

誰にとっても貴重な「時間」。特に時間を拘束されるサラリーマンにとっては、時間はいくらあっても足りないだろう。

ところがよく見ると、「時間がない」といつも焦っている人がいる一方で、涼しい顔をして定時に帰る人がいる。この差は一体、なぜ生まれるのだろうか?

■「自分は何に時間を使っているのか?」

時間をつくるためには管理することが欠かせない。時間管理の第一歩とは「現状認識」から始まる。自分が今、何に時間を使っているのかということは、記録を取らない限りはわからない。時間について、著名な経営学者であるP・F・ドラッカー博士は、『経営者の条件』の中でこのように述べている。

「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする。計画からもスタートしない。時間が何にとられているのかを明らかにすることからスタートする」

同書の中に、ある会社の会長の話が出てくる。その会長は、ずっと自分の時間は会社の幹部、顧客、地域活動のために使っていると思っていた。しかし秘書に記録を取らせてみると、実際は自社工場に「商品を早く納品するように」催促の電話をかけることに、多くの時間を使っていた。人は特に、習慣化した行動の欠点を、自分から気づくのは難しいのである。

もし、これをお読みの方の中で「時間がない」と思っている方がいるのであれば、ぜひ2週間でいいので、自分の時間を記録してみてほしい。オススメなのは、予定スケジュールの横に結果を書いておくことである。そうすると、予定とのズレが一目でわかり、改善につなげやすい。

■時間管理の鍵とは「優先順位づけ」

続いて、実際の記録に基づいて、「自分の時間をどう使うべきか?」ということを考える。

時間に関して書かれた本は世の中に山ほどあるが、その中でも特に著名なのが『7つの習慣』だろう。7つの習慣のうちの「第3の習慣」の中で、時間管理について詳しく述べられた箇所がある。筆者も、この時間管理法を取り入れ、自分なりに応用しているので、ここで披露しようと思う。

まず、時間管理のキモとなるのが「優先順位づけ」だ。つまり「どれから手をつけるか?」という判断力が試される。ここで『7つの習慣』の著者S・R・コヴィー博士が提唱しているのが「時間管理のマトリクス」である。

時間管理のマトリクスとは、縦軸を「重要かそうでないか?」、横軸を「緊急かそうでないか?」で4分割したものである。ここに、自分がやろうと考えている仕事を当てはめ、優先順位をつける際の参考にしていくのである。

■自分のやることを4つに分類する

コヴィー博士は4つのマトリクスにそれぞれ「第1領域、第2領域……」と名前をつけているが、それだと少々わかりづらいので、筆者は自分の言葉に直して使用している。4つのマトリクスとともに、それもご紹介しよう。

第1領域:緊急かつ重要な仕事。筆者が考えた言葉は「MUST」。「最優先事項」「クレーム処理」「期限のきた仕事」等。

第2領域:緊急ではないが重要な仕事。筆者の言葉では「THINK」、未来をつくるための時間。「本を読む」「ビジョンを立てる」「講演会の聴講」等。

第3領域:緊急だが重要ではない仕事。筆者の言葉は「DO」。「現状維持の仕事」「会議のための会議」「形式的な報告書の作成」等。

第4領域:緊急でも重要でもない仕事。筆者の言葉では「NG」。「仕事をしているフリをするための仕事」「やらなくてもいい雑用」等。

■「やることで一杯」の現状を変えるには

時間をつくる上で、常に緊急の仕事ばかりをやっていては、いつまで経っても仕事は減らない。筆者が見たところ、たいていの人は「DO」の仕事を「MUST」だと思ってやっているように見受けられる。要は、本当はそんなに重要ではない仕事なのに重要だと思ってやっている、ということである。

この状況を変えるには、

(1)緊急の仕事を緊急にならないように努力する
(2)重要でない仕事を減らすか、対処する程度に留める
(3)未来のために使う時間を増やす

たとえば今、やることをたくさん抱えて、ただでさえ時間がないのに、いきなりここで「未来のために本を読む」という選択をしても、そのためにMUSTの仕事が後回しになってしまっては意味がない。

人はつい、「やるべき仕事を先に片付けて、余った時間を自分のために使おう」と考えがちである。しかし、時間は決して余らない。だから、まずは自分の時間をMUSTとDOの仕事で一杯にしないようにするための努力に全力を傾ける。

■「未来のために今、何をするのか?」

時間とは、貯めることも借りることもできない。時間こそは、誰にでも平等に与えられた資源である。

どうやっても自分の時間は24時間より増えない以上、残る手立てとしては、やることをより「効果」の高い行為に絞っていく他はない。時間を切り売りする思考では、つい「効率」主義を優先してしまうが、効率を追求してスピードを速めるステージにも限界はある。

もし、時間を未来のことに使いたければ、先に時間をつくる必要がある。だから「自分の時間を確保するために今、何をやるべきなのか?」ということを逆算で考えることが重要なのである。「どう埋めるか?」はそれからだ。

この話をさらに詳しく知りたい方は、拙著『残業しないのに給料が上がる人がやめた33のコト』 (角川フォレスタ)をご覧いただけたら、きっと大きなヒントがつかめると思う。

俣野成敏(またの なるとし)http://www.matano.asia/
1993年、シチズン時計株式会社入社。31歳でメーカー直販在庫処分店を社内起業。年商14億円企業に育てる。33歳でグループ約130社の現役最年少の役員に抜擢され、40歳で本社召還、史上最年少の上級顧問に就任。『プロフェッショナルサラリーマン』(プレジデント社)や『一流の人はなぜそこまで◯◯にこだわるのか?』(クロスメディア・パブリッシング)のシリーズが共に10万部超のベストセラーに。2012 年に独立。複数の事業経営や投資活動の傍ら、「お金・時間・場所」に自由なサラリーマンの育成にも力を注ぐ。

最終更新:7/31(月) 17:35
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