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お墓の「お引っ越し」で金銭トラブル 高額請求に注意!

7/31(月) 18:20配信

ZUU online

家の墓を引っ越しすることにしたら、寺から法外な費用を請求された――。こんな相談が国民生活センターに寄せられている。そもそも、葬儀や法事の際に僧侶に手渡す「お布施」自体、なんとなく包んでいるのがふつうで、根拠に乏しいものだ。そのあたりの事情を知っておくことで、お墓をめぐる金銭トラブルを回避できるかもしれない。

■墓の移転で「寺に250万円、払ってください」?

「遠方の寺の檀家となっており、亡くなった両親の遺骨や先祖の位牌がある。高齢で、遠くまで墓参りに行けないので、遺骨等を家の近くの合同納骨堂に移したい。寺に問い合わせると『250万円支払うように』と言われた。支払うべきなのか」

消費者庁管轄で、消費者紛争について法による解決のための手続を支援する国民生活センターは2017年7月26日、70代女性からのこんな相談をウェブサイトに掲載した。相談者は高齢者で、なかなか長距離の移動も、多額の出費も厳しいそうだ。ただ、高齢者でなくても、都会に出てきた人はみなこのように、ふるさとに残してきた先祖のお墓についての問題からは逃れられないことだろう。

まず、「墓地、埋葬等に関する法律」で墓の移転に関するルールが定められており、許可なくやれば、罰則の対象にもなる。手続きとしては、古い墓の管理者である寺から「埋蔵証明書」をもらったうえで、新しい墓をつくる自治体に申請して「改葬許可証」を受け取ることが必要となる。この際、古い墓は撤去し、墓地は更地にしなければならない。

一方、遺骨は墓に入れなくてはならないという法律もない。このため一般に高価になる墓石への出費や墓の管理にかかる手間を嫌がる人たちには、墓をつくらない永代供養や海洋散骨、樹木葬のほか、遺骨の一部を自宅に置いたりアクセサリーに変形したりする手元供養などの手法が人気のようだ。

■寺へのお布施に基準なし

葬式や法事を仏式で行った場合、私たちは僧侶に対して「お布施」を当たり前のように支払っているが、その額に明確な基準があるわけではない。

兵庫県明石市の『日蓮宗本松寺』は公式サイトでお布施について、賽銭箱に投じる金額が決まっていないのと同様、金額に決まりはなく、本来は僧侶に差し上げるものではなくご本尊にお供えするものだから、領収証も発行しないというスタンスを述べた上で、それでも尋ねてくる人には同寺でのいちばん多い例を紹介しているという。その金額は「葬儀はお布施が30万円、お膳料1万円、お車料1万円、初七日忌のお布施は3万円程度」としている。そのうえで、「皆様方のご意志でお願いしております」という。

■寺の要求額に根拠を確認することが大事

先述したように、墓の引っ越しにかかるお金として、墓地の原状回復費用は避けられない。墓石の解体や運搬費用も必要だ。墓石を撤去する際には僧侶に「魂抜き」といって読経をしてもらわないといけない。

国民消費生活センターの質問の場合、寺が要求してきた代金が、この原状回復費用なのか、それともお布施(檀家をやめるときに寺にお礼として慣習的に支払ういわゆる「離壇料」と魂抜きのさいの読経料)も含まれた金額なのか、はたまた寺が吹っかけているだけなのか、そこを寺側と確認したい。根拠のあるものだったら支払う義務があるので、臆することなく寺と話しあうとよいだろう。

国民生活センターは、以上のようなことを説明した上で、「少しでも不審に思うことがあれば、お住まいの自治体の消費生活センター等にご相談ください(消費者ホットライン188)」としている。故人にかかわることなので穏便に済ませたい問題ではあるが、もしトラブルに発展しても、公的機関の介入があるので安心だ。(フリーライター 飛鳥一咲)

最終更新:7/31(月) 18:20
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