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青山アンデルセン、47年の歴史に幕 常連客ら別れ惜しむ /東京

7/31(月) 23:39配信

みんなの経済新聞ネットワーク

 表参道駅近くの「青山アンデルセン」(港区南青山5)が7月31日、閉店した。(シブヤ経済新聞)

来店客を見送る高山潔店長ら

 1967(昭和42)年に広島で創業したアンデルセンが、関東初の店舗として1970(昭和45)年に表参道エリアで開業した「青山アンデルセン」。移転・改装をしながら47年間、同エリアで営業を続けてきた。今回、東京メトロが進めている表参道駅のバリアフリー設備の整備など改修計画に協力するため閉店を決めた。

 最終日となったこの日は、7時30分のベーカリー・オープン直後から多くの人が来店したといい、17時~19時には会社帰りと思われる人たちでにぎわい、20時過ぎには用意したパンは全て売り切れとなった。この日は来店客へのプレゼントとして、デンマーク語で「ありがとう」を意味する「TAK!」のメッセージ入りコースターとオリジナルクッキー1800枚を用意していたが、夕方には底を突き、代わりに用意したクッキー300枚も閉店を待たずに無くなってしまったという。

 店内には日頃利用している人をはじめ遠方から足を運んだ人の姿もあり、店内の写真を撮ったりスタッフの人たちと思い出話に花を咲かせたりするなどして最後の時間を過ごした。営業終了時間が近づくにつれ、店頭には閉店を見送ろうとする人だかりができた。

 21時20分過ぎに最後の来店客の退店を見送った後、同店スタッフが店頭に並び、店長の高山潔さんが「支えてくれてありがとうございました」とあいさつすると、集まった人たちからは拍手や「ありがとう」の声が掛けられた。

 学生時代に同店でアルバイトをしていた経験もある世田谷区在住の中野恵さんはこの日、同店から火が付いた定番商品「ダークチェリー」、ライ麦粉を加え長時間発酵させる「青山アンデルセントースト」、コーンミール・コーンホールなどを使った「ブロア」を購入。通勤途中に買いに来たりパン教室に通ったりしていたことから、同店は「生活の一部だった」という。「青山本店の味を引き継いでほしい。早く(営業を)再開してもらえたら」。20時過ぎに来店した港区在住の佐藤和也さんはパンが売り切れていたため購入はできなかったが、「またオープンするのを楽しみにしている」と期待を込めた。

 約2年、同店の店長を務めた高山さんは「今日は通常の1.5倍以上の方にお越しいただいた。ここまでお越しいただけるとは思っておらず、(パンを)焼いても焼いても間に合わなかった。昼にお越しいただいた方々に購入いただけなかったのが心残り」としながらも、「47年間、店があり続けたのは、お客さまに支えられたからこそ。感謝の一言に尽きる」と笑顔を見せ、「またお会いできることを楽しみにしている」と話した。

 同店を手掛けるアンデルセン(広島市)は、東京メトロと同所の土地に関する賃貸借契約と建物譲渡契約を締結しており、9月末には建物を引き渡す予定だが、以降の取り壊し時期などは未定。

 アンデルセンは再開発後の2022年以降、同エリアへの再出店を計画しているほか、現在、その間をつなぐ仮店舗の物件を探している。8月1日からは順次、東急東横店(渋谷区渋谷2)など近隣エリアのアンデルセン4店舗で、青山アンデルセン限定で販売していたパンを取り扱う。

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