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泥沼化する東芝とWDの抗争~サムスンの背中は次第に遠く

7/31(月) 20:25配信

投信1

投信1編集による本記事の注目点

 ・ 東芝メモリの売却は、東芝と米ウエスタンデジタル(WD)の対立が先鋭化しているために難航しています。
 ・ サムスン電子の市場シェアは15年の約31%から16年には35%強と4ポイント上昇している一方、東芝やWDは前年とほぼ同水準にとどまっており、それぞれ19%強、15%強となっています。
 ・ 着実にシェアを伸ばすサムスン電子に対し、東芝やWDは技術的にもコスト的にも負け戦を強いられています。
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東芝メモリの売却先を巡り、東芝とNAND製造拠点の四日市工場を共同運営している米ウエスタンデジタル(WD)の対立が先鋭化している。両社は法廷闘争までもつれ込んでおり、東芝がWDに対して7月18日(現地時間)から情報遮断を全面的に再開し、この先どういう着地点を探るのか皆目見当がつかなくなってきた。

東芝メモリは親会社の不手際で身売りを余儀なくされており、東芝本体の思惑では2018年3月末までにメモリー事業の売却を完了して、6000億円近くに上る債務超過を解消したい意向だが、WDの法廷闘争に翻弄されている。

WDは東芝が進める一連のメモリー子会社の株式売却手続きに対して、17年5月中旬、国際商工会議所(ICC)国際仲裁裁判所に中止を求めて仲裁手続きを申し立てた。しかし仲裁の判決が出るまでには1年以上の長期戦になることが多いため、6月14日(現地時間)には米カリフォルニア州の上級裁判所に、仲裁判断が出るまでの暫定的な事業売却の中止を求めて法的手段(予備的差止請求訴訟)に訴えていた。

その予備的差止請求訴訟の初審問があった7月14日、当初は何らかの判断が下されるのではないかとの憶測も流れたが、結果的には次回の審問が行われる7月28日まで裁判所判断は持ち越されている状況だ。東芝は、実質的にメモリー事業の売却手続きを妨げるものではないとして、最終契約を締結させるために関係者らと交渉を継続していくとの声明を発表している。

両社が事業展開しているNAND型フラッシュメモリーは今、スマートフォン(スマホ)やハイエンドサーバー向けのストレージであるソリッド・ストレージ・デバイス(SSD)として引っ張りだこになっており、競合他社メーカーも増産に次ぐ増産を繰り返しているものの、それでも需要に供給が追い付かない状態が続く。本来なら喧嘩などしている場合ではないのだが……。

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最終更新:7/31(月) 20:25
投信1