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トヨタ名誉会長が振り返る、なぜ「クラウン」の米国輸出は失敗したか

7/31(月) 8:22配信

ニュースイッチ

豊田章一郎氏が記念講演、「現地現物の鉄則を」

 トヨタ自動車の豊田章一郎名誉会長が、8月1日の「愛知の発明の日」を前にした記念講演会に登壇した。愛知の発明の日は、トヨタ自動車グループの創始者である豊田佐吉翁が、日本で最初の動力織機の特許を取得した日にちなんで制定された。今年は豊田佐吉翁の生誕150周年にあたり、孫でもある豊田章一郎名誉会長の講演が実現した。

 「現地現物の感性は絶対に鈍らせてはいけない」。豊田名誉会長は「ものづくり、ひとづくり」と題した講演でこう強調した。

 「現場感覚のないモノづくりでは継続的な“カイゼン”にも革新にもつながっていかない」と長年の経験を基にした信念を披露。ITの発達などで技術者がオフィスで議論し、パソコンで作業が完了する時代になったことにふれつつ「現場に行き、現場の声を聞き、現場に立って考えよう」と主張した。

 自らの失敗談として高級車「クラウン」の米国輸出を挙げた。国内で1955年に発売して好評だったため、米国販売を計画。「ニューヨーク、ボストン、デトロイトを巡って米国のハイウエーを自分でドライブし、これならいけると思って(57年に)輸出を始めたが浅はかなテストでした」と振り返った。

 ハイウエーでの馬力不足やオーバーヒート、激しい振動などを指摘され輸出は停止。「十分な実地試験をせず、車を輸出したことがモノづくりの現地現物の鉄則を忘れた大きな誤りだった」。これを教訓に性能や品質、価格を磨き66年に米国へ輸出した「コロナ」で「初めて米国で通用する乗用車を作ることができた」と語った。

最終更新:7/31(月) 8:22
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