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「ちょこまか」「見失うように」。堤ほの花、初出場のW杯へ描くトライへの道

7/31(月) 15:10配信

ラグビーリパブリック(ラグビーマガジン)

 身長170センチと小柄ながらラグビーのウェールズ代表として87キャップを獲得してきたシェーン・ウィリアムズは、「小さな人間には大きなスペースがある」という名言を残している。2012年に来日した当の本人はどこで話したかを忘れたと笑っていたが、鋭いステップで世界の大男をきりきり舞いさせたWTBは確かに存在していた。

フーパーになる。女子日本代表FL塩崎優衣、香港戦で「運動量で勝つ」。

 堤ほの花もまた、その隊列に加わるか。見据える舞台は、ラグビーの第8回15人制女子ワールドカップ。現地時間8月9日にアイルランドで開幕するこのステージに、女子15人制日本代表は4大会ぶりに出場。有水剛志ヘッドコーチが「高速展開ラグビー」を標榜するなか、フィニッシャー候補に挙げられるのがこの堤だ。

 7人制でも日本代表入りする、日体大2年生。身長154センチと決して大柄ではないが、今度の15人制の大舞台でもWTBに入って「皆が運んでくれたボールをトライへ…」。持ち味のスピードで防御網を裂く。

 本番ではフランス代表、アイルランド代表、オーストラリア代表と順に対峙する。彼我の体格差は避けられない。しかし堤は、ここまでの国際経験から確かな手ごたえをつかんでいる。

「ちょこまかしている選手は嫌いだと思うので、小ささとスピードで勝負できればと思います」

 5月29日~6月13日には、アイルランド・ウェールズ強化遠征に出かけて両国の代表候補が集まる選抜チームと計3度の実戦を経験。「強みにしているブレイクダウン、キックチェイス、セットピースでそれぞれの課題を見つけていけた」とする一方で、自分がどうトライを取るかのイメージを具現化できたというのだ。

 手足の長いタックラーに捕まらないようフットワークを活かす。相手の死角へ駆け込んでパスをもらう…。自分にしかわからない「大きなスペース」を攻略し、日本代表に貴重なスコアをもたらしたい。

「身体の使い方を工夫すれば、抜ける。気配を消す、というか、相手が見失うようなところも見せていきたいです」

 チームは8月1日に開催地のアイルランド・ダブリンへ渡り、9日のフランス代表との初戦(ビリングスパーク/ユニバーシティ・カレッジ・ダブリン)に挑む。

「最初の入り。『日本って、こんなに強いんだ』と思われるようなプレーをしていけたら」

 渡航前から、キックオフの瞬間にフォーカスを当てる。

(文:向 風見也)