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岡田有希子生誕50年ファンミーティング開催。色あせない魅力に迫る

7/31(月) 18:27配信

Stereo Sound ONLINE

 去る7月30日、東京・ポニーキャニオン本社ビルでイベント「Sing again! Yukko!! 岡田有希子生誕50年ファンミーティング」の東京公演が開催された。

会場で撮影した画像も

 これは東海ラジオで放送中の岡田有希子トリビュート番組、「ドットーレ山口のドキドキラジオ'84」の関連企画。約1年半にわたって同番組のパーソナリティを務める山口氏の発案で行なわれた(29日には岡田有希子の地元、名古屋の東海ラジオ本社でも開催)。

 不朽の名盤『FAIRY』から「あなたを忘れる魔法があれば」がリピート再生される中、会場に入るやいなや目を奪うのは衣装、直筆の詩、上京直後に撮影された写真(映画『アイコ十六歳』オーディション用のもの)、そしてアイドル誌「月刊平凡」のために撮影された未発表ショットといったレア・アイテムの数々だ。

 司会は山口氏と、岡田有希子のコンサートで舞台監督を務めていた宮坂英光氏が担当。実際のコンサートに参加していたというファンの話をはさみながらの、未発表ライヴ音源の鑑賞にはすさまじいまでのリアリティがあった。この日は抜粋が流れたが、全長版の公表/リリースにも期待がかかる。


■1984年9月24日 大阪厚生年金会館中ホール「岡田有希子ファーストコンサート『恋・はじめまして』」
・1:ファースト・デイト
※4月21日発売のファースト・シングル。レコードよりも、かなりテンポが速い。ホーン・セクション、ストリングス(シンセサイザーかもしれない)もフィーチャーされる。バスドラは四つ打ち。

 続いてMC。「デビューして5ヵ月、夢のような気分です。9月5日の初LP(『シンデレラ』)から、ちょっぴりメルヘンチックな世界をお送りしたいと思います」

・2:さよなら・夏休み
※『シンデレラ』より

・3:ルージュの伝言
※荒井由実のカヴァー。ロックンロール風のアレンジ。岡田有希子のスタジオ・ヴァージョンは存在しない。

・4:憧れ
※『シンデレラ』より

・5:恋のダブルス
※セカンド・シングル「リトルプリンセス」のB面。テンポは速め。レコードにはないリフレインがあり、その部分で声量や音程が乱れる。ステージの左右を駆けながら歌っているのだろうか。続いて短いMC。

・6:リトルプリンセス
※7月18日リリースのセカンド・シングル。このライヴ版では、鐘のような音を出すキーボードが強く耳に残る。

・7:-Dreaming Girl- 恋、はじめまして
※このコンサートの3日前、9月21日にリリースされたサード・シングル。泣いて歌っているのかもしれない。ホーン・セクション、女声コーラスも大活躍する。


■1985年9月7日 東京・郵便貯金会館「岡田有希子 サマーBIGコンサート ファンタジアン」
・1:Summer Beach
※銅鑼の音から始まる。アレンジはレコード(4月17日リリースの5thシングル)よりかっこいい。ギターのシャープなカッティング、スラップ奏法で突進するベース、白玉音符を奏でるシンセサイザーが一体となって歌を盛り上げる。

・2:哀しい予感
※7月17日に発売された6thシングル。

・3:十月の人魚
※9月18日リリース(ということは、まだこの時点では出ていない)のサード・フル・アルバム『十月の人魚』より。AOR/シティ・ポップ再認識高まる今にふさわしいナンバー。レコード同様、サックスによる間奏もフィーチャーされる。

・4:Love Fair
※10月5日リリースの7thシングル(つまりまだ出ていなかった)。歌い終えた後のMCで初披露であると述べ、「初めて、かしぶち哲郎さんに作っていただきました。ちょっと変わった感じの曲、レコードでもぜひ聴いていただきたい曲です。今まで以上に応援していただきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします」と続ける。

・5:Sweet Planet
※アルバム『十月の人魚』より。小室哲哉の提供曲。

・6:天使のウィンク
※松田聖子のシングル(85年1月30日リリース)だが、尾崎亜美の自作自演もある。前述の宮坂氏によると、岡田有希子のヴァージョンは、尾崎亜美がライヴで使用したアレンジに基づいているという。岡田版のスタジオ録音は存在しない。ちなみに松田聖子は6月24日に神田正輝と挙式し、岡田有希子も列席した。


 素晴らしい音質で往年のライヴを堪能した後は、マガジンハウスのアーカイブ部署担当者による貴重な話&未発表映像のスライド上映へ。

 OKショットと別テイク・ショットを並べる場面もあったが、どのショットもすさまじいまでのかわいさに溢れている。デジカメもフォトショップもSNOWもなかった時代(撮影後の画像データ修正という概念すら生まれていなかったであろう時代)、フィルムの感度もせいぜいASA800ぐらいだったであろう時代に、ガチでこのかわいさだ。

 しかもその時代だけのかわいさという感じではなく、2030年になっても2070年になっても、ドラえもんが生まれるはずの2112年になっても相変わらず輝き続けるであろうかわいさだ。リアルタイムで実物の岡田有希子に接したファンは、とんでもない幸福を味わっていたはずだと想像する。

 続いてはスペシャル・ゲストとして、現在も歌手活動を続ける桑田靖子が登場。岡田有希子の前年、1983年にデビューし、当時の所属事務所“サンミュージック”の下宿で一緒だったこともある。

 「いままで(岡田有希子について話すという)依頼は断ってきた」そうだが、「山口氏の依頼なら」ということで、下宿や堀越高校の修学旅行でのエピソードも披露。「強い意志を持つ聡明なひとだった」と、30数年前を振り返った。

 そしてさらに、岡田有希子の音作りに携わった作家たちの中から小室哲哉、萩田光雄、竹内まりやのメッセージが山口氏によって代読され、尾崎亜美からは声のメッセージが届いた。会を大成功させた山口氏はまた、今後の目標としてファンクラブの復活、トリビュート・コンサートの開催を語った。

 「ドットーレ山口のドキドキラジオ'84」は東海地方以外に住んでいてもラジコで聴けるし、楽曲を除いたものでよければYouTubeでも公開されている。

 ついでにぼく自身の勝手な意見だが、“動く岡田有希子”、それも神がかり的なかわいさがほとばしっていた85年春ぐらいまでのテレビ出演などの映像をもっと作品化してほしいと思う。そう考えると彼女が1本も映画に出なかったのは本当に惜しい(『アイコ』だけではなく『青春共和国』のオーディションにも落ちている)。

 とにかくすさまじく内容の濃い、愛情のこもったファンミーティングだった。近いうちに続編が行なわれることを心から望みたい。

Stereo Sound ONLINE / 原田和典

最終更新:7/31(月) 18:27
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