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VRで遠隔地から新居内見、スタイル変わる いまどきの不動産探し

7/31(月) 17:21配信

日刊工業新聞電子版

■面倒な作業はAIに任せる

 不動産業界で人工知能(AI)技術を導入して住宅探しを便利にする動きが、ベンチャー企業を中心に広がっている。イタンジ(東京都港区)はAIチャットを使い入居希望者が部屋探しできる「ノマドクラウド」のユーザー数を累計15万人に拡大した。コラビット(同)はAIによる中古住宅の価格査定を通信アプリケーションの「LINE」でできるようにした。利用者は店に電話したり訪問したりする手間が省け、不動産会社も業務を効率化するメリットがある。

 イタンジはAIやビッグデータ活用の技術で、利用者だけでなく不動産業界の効率化にも貢献する。不動産管理会社はこれまで、不動産仲介業者から空き室情報の問い合わせを電話で受けていた。イタンジの自動応答システム「ぶっかくん」で自動応答にすれば、電話応対の時間がなくなるだけでなく、問い合わせ内容や時間ごとの反響などをデータ収集し分析でき、管理面に生かすことができる。

 内見の予約への応対も同様に手がかかるが、「内見予約くん」で自動化し、24時間対応できる。伊藤嘉盛最高経営責任者(CEO)は「AIが面倒な業務を行い、人が接客や創造性のある仕事をする。業界の高度化に貢献したい」と話す。

 中古住宅の価格査定は不動産店任せが常識だが、コラビットは利用者が自分で気軽に査定できる仕組みを提供する。中古住宅の流通活性化を目指し、AIによる自動査定システム「HowMa」を開発した。浅海剛CEOは「自分の職場が遠方に変わったとき、査定できず苦労した。その体験からシステムを開発した」という。

 中古住宅はデータが少ないため、大量のデータを学んで精度を高めるAIには難しい分野だ。コラビットは少ないデータから、推定に推定を重ねて精度を高める技術を開発した。業界でも価格に2割程度の幅があるが、同程度の精度だという。「潜在的に家を売りたい人は国内に1000万人はいる。楽に売買できるようにして市場を育てたい」(浅海CEO)と意気込む。

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