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中国人詐欺集団は西太平洋の孤島から電話をかけてくる

7/31(月) 11:05配信

THE ZERO/ONE

詐欺犯罪に対する取り締まりが厳しくなる中、海外を拠点にし、IP電話を使って中国国内に電話をかけ、詐欺を行う集団が目立ち始めている。『澎湃新聞』、『解放日報』は、上海公安が今年の2月から3月の間に、このような海外を拠点とする詐欺集団31人を逮捕し、20数件の詐欺事件、被害金額100万元(約1650万円)以上で起訴をしたと報じた。

魅惑の電話詐欺

中国では、電話、ショートメッセージ、SNSを使って、銀行員や公安職員を名乗り、金を騙し取るという詐欺事件が多発している。典型的な手口は「あなたの銀行口座が資金洗浄に使われている可能性がある。資金を安全な口座に移したほうがいい」と電話し、預金を犯人の口座に振り込ませるものだ。

中国政府も詐欺撲滅を重要政策のひとつとして打ち出し、公安部、各地公安、電話会社、携帯電話キャリア、セキュリティ企業などの協力体制を整えたことにより、電話詐欺の検挙率は確実に上がってきている。アジトの位置を特定できるようになったからだ。そのため、電話による詐欺は減少傾向にあり、ショートメッセージやSNSを使った詐欺に軸足が移りつつある。

しかし犯罪者たちにとって、電話詐欺には捨てがたい魅力がある。それは、ショートメッセージやSNSに比べて、成功率がきわめて高いのだ。そこで、拠点を海外に置くことで、検挙を逃れようとする電話詐欺集団が目立つようになってきている。

西太平洋の孤島にある犯罪アジト

検挙の発端は、昨年8月、上海浦東(ほとう)公安分局による、銀行カード偽造集団に対する捜査だった。上海公安は専従チームを結成し、11月にはこの偽造集団13名を逮捕している。専従チームは、そこから偽造カードの販売先に捜査の手を伸ばした。

すると台湾人が中心となり、西太平洋の孤島(報道では具体的な地名は伏せられている)を拠点とする電話詐欺集団が浮かび上がってきた。この詐欺集団は、中国国内で詐欺の働き手を募集し、孤島のアジトに送り込み、そこからIP電話を使って、中国国内の市民に対して詐欺を働いていた。

この公安専従チームに協力をしたのが、上海反電信網絡詐騙センターだった。センターでは、大量の詐欺電話の通話記録を分析、詐欺集団が西太平洋の孤島をはじめとして、ヨーロッパの各都市に拠点を持っていることを割り出した。

専従チームは、この拠点から帰国する中国人を洗い出し、3名の容疑者を特定。この3人は、中国国内で、詐欺に従事する人間を募集して、拠点に出国させるために中国国内に入っていた。この3名の行動監視を続けると、3名はボスと思われる台湾人、通称「光頭勝」(スキンヘッドの兄貴といった意味)と合流、何事かを共謀したのち、それぞれが故郷に帰り、人手を集めていた。

2月下旬になって再度詐欺を働くため光頭勝は、広東省東莞(とうかん)市で準備を始めた。3名の仲間が人手を連れて、東莞市に集まりそこから海外拠点に出国するのだと思われた。

専従チームは、ボスの光頭勝、3人の容疑者、募集に応じた働き手10人の逮捕状を取り、2月24日から3月1日の間に、上海市、広東省東莞市、湖南省長沙(ちょうさ)市、耒陽(らいよう)市、湖北省仙桃(せんとう)市、天門(てんもん)市の6ヵ所で検挙作戦を展開。13名を逮捕したが、ボスの光頭勝には逃げられてしまった。

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最終更新:7/31(月) 11:05
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