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青森県警「制服見せる作戦」展開中 地域に浸透、犯罪抑止期待

7/31(月) 11:50配信

デーリー東北新聞社

 最近、街中で警察官をよく見掛けるな―と感じたことはないだろうか。青森県警は本年度から、全県の交番や駐在所の若手警察官を対象に、単独での徒歩や自転車移動を奨励している。従来のパトカー中心の移動とは異なり、狭い路地の住宅密集地などでも、住民が制服姿を目にする機会を増やすことで、犯罪や交通事故を未然に防ぐ注意喚起につなげる。若手単独での現場対応も進め、経験を積ませる狙いもある。

 発案者は大塚泰博県警本部長。2016年4月に着任して以降、県内の交通マナーの悪さや、街中に警察官の姿があまり見られないことを気に掛けていた。

 東京をはじめとする大都市圏の交番勤務は、徒歩や自転車で移動し、業務を1人でこなすのが一般的。一方、交番や駐在所ごとの管轄エリアが広い青森の場合はパトカー利用が多く、先輩警察官と若手が一緒に行動するのが通例だった。

 「警察官の姿が日常的に見えれば事件事故の件数が減り、若手の早期戦力化にもつながる」。大塚本部長の働き掛けで、“作戦”は17年4月から全県で本格的にスタートした。

 徒歩、自転車の目安は、各交番の半径3キロ圏内。日々の巡回だけでなく、比較的軽微な事件、事故の現場へも原則1人で向かう。

 7月下旬まで八戸署中央交番に勤務していた工藤誠也巡査(26)=現・同署売市交番=は「正直、体力的にはまだ大変」と苦笑しつつ、「狭い路地の住宅密集地など、パトカーで回ることのなかったエリアの状況をよく確認できるようになった」と強調。「住民とも言葉を交わす機会が増え、認知度の向上を実感している。今年の八戸署管内での死亡事故減少傾向にも効果が出ているのかな」とみる。

 緊急事態の発生時に現場へ急行できないなどの懸念はあるものの、無線連絡や近隣交番などへ応援を仰ぐことでカバーしている。売市交番所長の須藤浩幸警部補(35)は「若手は昔よりも仕事量が増えていて多忙だとは思うが、周りもサポートする。早く経験を積み重ねて一人前に成長してくれれば」とエールを送る。

 大塚本部長は「積極的に街中へ繰り出し、事故防止などの活動に携わることで、住民のための親しみやすい警察官に育ってほしい」と話す。

デーリー東北新聞社