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鈴鹿8耐決勝レポート:ヤマハファクトリーが3連覇。ノーミス、ノートラブルの完勝劇

7/31(月) 6:54配信

motorsport.com 日本版

 鈴鹿サーキットで行われた2017“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース第40回記念大会。ポールポジションからスタートした#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行/アレックス・ローズ/マイケル・ファン・デル・マーク)が優勝。同一チームでは史上初めて3連覇を成し遂げた。

【ギャラリー】2017年鈴鹿8時間耐久ロードレース

 スタート直後から突然雨が降り出すという波乱の展開の中、優勝候補の一角だった#12 ヨシムラ スズキMOTULレーシングの津田拓也が2周目にまさかの転倒。レース序盤は#634 MuSASHi RT HARC PRO.Honda(高橋巧)、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM(中須賀克行)、#11 カワサキTeamGREEN(レオン・ハスラム)の3台でトップ争いを繰り広げていくが、15周を過ぎたあたりから高橋と中須賀の一騎打ちになっていく。

 中須賀がオーバーテイクを決めれば、高橋が抜き返すという、耐久レースの鈴鹿8耐では珍しいドッグファイトが見られた。

 1時間を経過したところで両者1回目のピットストップへ。先に入ったのは#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM。アレックス・ローズに交替し第2スティントに突入する。この直後にアクシデントが発生し、セーフティカーが導入される。ちょうどピットストップのタイミングと重なり、#634 MuSASHi RT HARC PRO.Hondaはピット出口のクローズに捕まってしまうが、幸運にも#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMと同じセーフティカーの集団で復帰。レース再開後はジャック・ミラーがアグレッシブなライディングを披露し、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMをも交わしてトップに浮上する。しかしローズもリズムをつかみ始めると、再びミラーの背後に迫り、36周目の2コーナーでパス。再逆転に成功した。

 付かず離れずの緊迫したトップ争いだが、71周目にまさかのアクシデントが発生する。少しずつペースを上げ射程圏内に入りつつあった#634 MuSASHi RT HARC PRO.Hondaの中上がヘアピンで転倒。そこまでスピードが出ていなかったこともあり大きな損傷はなかったが、左側のステップが破損してしまい、緊急ピットインを余儀なくされる。なんとか短時間でコースに復帰してしたものの、トップからは1周遅れとなり優勝争いから脱落してしまう。

 これで、一気に楽になった#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMは、ここから昨年同様に強さを存分に発揮していく。4時間20分を経過した117周目にはローズが2分06秒936のファステストラップをマーク。中須賀、ファン・デル・マークも危なげない走りで周回を重ね、残り2時間のところでは3番手につけていた#11 カワサキTeamGREENを周回遅れにした。

 これでトップと同一周回なのは#5 F.C.C.TSRホンダのみ。急遽欠場になったステファン・ブラドルの代わりにジョシュ・フックが起用されるが、決勝は事前テストを重ねチームとともにバイクを作ってきたドミニク・エガーター、ランディ・ドゥ・プニエの2人でスティントを担当していく。

 特に残り1時間のところではエガーターの背後に中須賀が迫り、あわや周回遅れとなりそうなシーンもあった、必死でペースを上げ同一周回を保った。

 しかし、残り40分を切ったところで#5 F.C.C.TSRホンダにまさかの事態が発生する。逆バンクでアクシデントがありセーフティカーが導入されるが、レース再開直後にマシン内部から炎が上がってしまり、オレンジディスク旗が出されピットインして修復作業を余儀無くされる。最終スティントを担当していたドゥ・プニエからはちょうど死角の位置だったこともあり、何が起こったのか分からずにピットイン。最初はパニックになっていたが、マシンが直ると再びバイクにまたがり、3番手で戦列に復帰した。

 結局、目まぐるしく変わる天候や、例年より気温、路面温度が低いコンディションの中で転倒も続出したが、最後までノーミス、ノートラブルで走り抜いた#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAM。終わってみれば、2度のセーフティカー導入があったにも関わらず、昨年の周回数にあと2周と迫る216周でチェッカーを受けた。

 2位には#11 カワサキTeamGREEN(渡辺一馬/レオン・ハスラム/アズラン・シャー・ビン・カマルザマン)。最後はハスラムが2スティント連続で走行し、終盤のセーフティカーで同一周回に戻し、2年連続で2位表彰台を獲得した。3位には#5 F.C.C.TSRホンダ(ドミニク・エガーター/ランディ・ドゥ・プニエ/ジョシュ・フック)が入った。

 序盤はトップ争いに加わっていた#634 MuSASHi RT HARC PRO.Honda (高橋巧/ジャック・ミラー/中上貴晶)は、終盤にもトラブルを抱えペースダウン。速さはあったものの、それをうまく結果につなげることができず4位と悔しい結果になった。また序盤に転倒した#12 ヨシムラ スズキMOTULレーシング(津田拓也/シルバン・ギュントーリ/ジョシュ・ブルックス)は、最後尾の68番手から怒涛の追い上げをみせ7位でフィニッシュとなった。

 一方FIM EWCのチャンピオン争いは、11位でフィニッシュした#94 GMT94 YAMAHA(デビッド・チェカ/ニッコロ・カネパ/マイク・ディ・メリオ)が勝ち獲った。

 なお、#21 YAMAHA FACTORY RACING TEAMは8耐史上初めて同一チームでの3連覇を達成。今年もノーミス、ノートラブルで過酷な8時間を走りきったことが、最終的に勝因につながった。

吉田知弘