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フォーミュラEモントリオール・レース2:ディ・グラッシ、参戦3年目で初の王座獲得

7/31(月) 8:05配信

motorsport.com 日本版

 フォーミュラEシーズン3最終戦モントリオールePrixレース2の決勝が行われ、ジャン-エリック・ベルニュ(テチータ)が初優勝。そしてアプト・シェフラー・アウディ・スポートのルーカス・ディ・グラッシが年間タイトルを獲得した。

フォーミュラEシーズン3最終戦モントリオールePrixレース2決勝結果

 今回のレースでは、ディ・グラッシとセバスチャン・ブエミ(ルノー・e.ダムス)による一騎打ちのタイトル争いが最大の注目ポイント。前日のレース1でディ・グラッシが優勝、ブエミが失格となったことで形成逆転となり、ディ・グラッシが18ポイントのリードを持ってこの日の最終レースを迎えた。ブエミは2位以上に入賞することがタイトル獲得の最低条件。一方のディ・グラッシは、6位以上でフィニッシュできれば、無条件でタイトルを手にすることができる。

 またサム・バード(DSヴァージン)とフェリックス・ローゼンクビスト(マヒンドラ)による年間3位争いも僅差であり、注目を集めた。

 熱くなるレースの展開に呼応するように前日よりも気温が高くなったシーズン3最終幕。37周で争われたレース2は気温28度、路面温度31度というコンディションだった。

 オープニングラップの第1コーナーは混雑した。5番グリッドからスタートしたディ・グラッシは順位を落として7番手。さらに、ステファン・サラザン(テチータ)がスピンし、その後ろからコーナーに進入してきたアダム・キャロル(ジャガー)が、進路を塞がれてしまいポジションを落とした。

 一方の13番グリッドスタートのブエミは11番手にポジションをあげることに成功。いざ、先頭を目指そうというところだったが、前出の1周目1コーナーの混乱中にアンドレッティのマシンに追突されてしまう。この接触によりブエミの右リヤバンパーが破損し、オレンジディスクが宣告。予定外のピットストップを余儀なくされてしまう。

 ブエミはこの判定に、チーム無線で憤怒。ストップを終え、再びコースに戻った時には、トップのローゼンクビストから33秒差つけられた最後尾に落ちていた。

 逆転での王座獲得の可能性は絶望的になったとみられたブエミだが、それでも諦めることなくファステストラップを刻みながら猛進。10周終了した段階でトップから28秒差までに縮め、隊列に接近していった。

 一方、先頭では12番グリッドからスタートしたホセ・マリア・ロペス(DSヴァージン)が、混戦となったレースをかい潜りながらポジションを上げていた。そして14周目にニック・ハイドフェルド(マヒンドラ)を交わし4番手に浮上した。

 20周目の終わりから、各車が続々とピットイン。そんな中でも、ニコラス・プロスト(ルノー・e.ダムス)が最後までコースに残り、一時的に首位となった。プロストは前半に使うエネルギーを温存したことで、後半の巻き返しを目指しているようだった。

 ランキング首位のディ・グラッシは、チームメイトのダニエル・アプトに守られるようにランデブーで6-7番手を走り、手堅くレースを進めていく。

 トップのローゼンクビストは、2番手のベルニュから逃げようとするも徐々にペースが落ちていく。そしてとうとう29周目にベルニュがオーバーテイクを完了! 首位が入れ替わることになった。

 2番手に落ちた後のローゼンクビストはバッテリー消耗のペースが早く、これによってレースペースを上げることも叶わずに、ベルニュとの差が開いていった。その間にはロペスが3番手のバードの背後に接近し、32周目にオーバーテイク。さらにロペスは2番手のローゼンクビストにも近づいていく。

 一方ブエミは着実に順位を上げ、レース終盤にはマーロ・エンゲル(ヴェンチュリ)、ロイック・デュバル(ドラゴン)、ミッチ・エバンス(ジャガー)らによる11番手争いの集団に追いついていた。ブエミはまず、前方に気をとられていたエバンスを交わし13番手に浮上。さらに35周目にデュバルとエンゲルがクラッシュしたことにより、ブエミは11番手に浮上した。

 デュバルのクラッシュによりイエローフラッグが振られたが、セーフティカーやフルコースイエローになることはなかった。

 結局、トップチェッカーを受けたのはベルニュ。第3シーズン最終戦において、フォーミュラEでの自身初優勝を果たした。ローゼンクビストはバッテリー残量がギリギリながらも、背後から攻めてくるロペスを最後は引き離して2位。参戦初シーズンでランキング3位に輝いた。ロペスは3位で表彰台の一角を占めた。

 アプトとディ・グラッシは、万全の体制で手堅く6-7位でチェッカーフラッグ。ディ・グラッシはシリーズ参戦3年目にして、ようやく初のタイトルを獲得した。

 フィニッシュライン通過後、勝利の雄叫びをあげたディ・グラッシ。途中バイザーを下ろし、涙声ながらチームに対し感謝の言葉を述べた。

 まさかのどんでん返しが起こったダブルヘッダーの最終戦モントリオールePrix。チームタイトルはルノー・e.ダムスが3連覇を達成し(初年度のチーム名称はe.ダムス・ルノー)、ドライバーズタイトルは3人目の新しい王者が誕生して閉幕した。

 シリーズはシーズン4(2017-2018年)開幕に向け、しばしのオフシーズンに入ることとなる。