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〈時代の正体〉「東京訴訟も勝利を」朝鮮学校無償化除外裁判で集会

7/31(月) 9:01配信

カナロコ by 神奈川新聞

【時代の正体取材班=石橋 学】朝鮮学校だけが高校無償化制度から排除されている問題を巡る訴訟で、正反対の結果となった広島、大阪両地裁の判決の意味を考える集会が30日、東京朝鮮中高級学校(東京都北区)で開かれた。東京訴訟の原告である同校の生徒たち(提訴当時)の支援者らが主催。朝鮮学校側が全面勝訴した大阪地裁の判決に「9月の判決に向けた追い風。東京訴訟でも勝ち、行政の恣意(しい)的な誤りを正す流れを確かなものにしよう」との声が上がった。

 19日の広島判決は一部新聞報道などを証拠に「無償化の資金が授業料に充てられない懸念がある」とした国の主張を追認し、原告の訴えを全面的に退けた。東京弁護団の一人、師岡康子弁護士は「朝鮮人は信用できないという根拠のない偏見をあおる内容。傷ついたと訴えている原告の生徒を含め証人を一人も採用しない結論ありきの判決」と批判した。

 対して「政治的外交的理由による排除は裁量権の逸脱」「平等権や民族教育を受ける権利の侵害」との訴えを全面的に認めた27日の大阪判決を「政治的外交的理由で排除したという事実を認めた点が大きい」と評価。李(リ)春熙(チュニ)弁護士も「判決は東京弁護団の主張とほぼ同じ。事実に基づき国の主張を否定しており、われわれの主張が間違いでないと確信できた」と続けた。

 師岡弁護士は神奈川県のほか各自治体で広がる補助金の打ち切りにも触れ「きっかけは国による無償化除外。大阪判決をもとに覆していくことができる」と強調した。

 訴訟は東京、名古屋、福岡でも争われており、東京地裁は9月13日が判決言い渡し。東京朝鮮高校生の裁判を支援する会の長谷川和男共同代表は「植民地支配した民族の子どもたちの教育に全く力を貸さないという、歴史を無視したこの国の在り方を問う流れを大阪判決がつくった。日本社会の朝鮮に対する意識を変えていきたい」と力を込めた。