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「学びたい」仲間増え 厚木・自主夜間中学

7/31(月) 18:31配信

カナロコ by 神奈川新聞

 ◆前川前文科次官も先生に
 さまざまな事情から義務教育を十分に受けられなかった高齢者や外国人の若者らに勉強を教える自主夜間中学の活動。厚木市内でボランティアが運営する「あつぎえんぴつの会」(代表・岩井富喜子さん)に通う生徒が増えている。先生役は前文部科学事務次官の前川喜平さんも加わって15人。当初2人だった生徒は17人に増え、「学びたい」という思いを支援する輪が広がっている。

 同会は、横浜市鶴見区の自主夜間中学から独立する形で2013年11月に発足。当初、生徒2人、先生も岩井さんを入れて2人だったが、15年10月に厚木市内で周知イベントを開催して以降、生徒が集まりだした。

 会場は貸し会議室から、同市の協力で16年2月より同市中町の事務所が無償で使えるようになった。毎週木曜日の午後に開催し、月2回だった当初に比べて開校日が倍増。地元の厚木のほか、周辺の秦野や大和などから88~19歳の生徒17人が国語や英語などを学んでいる。先生役を務めるのは元教員らで、前川さんも今年3月から漢字の書き取りなどを教えている。

 前川さんは文科省在任中、16年12月に成立した教育機会確保法の制定に携わった経験から、不登校だった人らを支援する自主夜間学校の取り組みに関心があったという。今年1月に天下り問題で引責辞任後、福島県内の自主夜間中学に参加し、その場で岩井さんから厚木に誘われた。

 自身が勉強したい教材を持参し、先生からマンツーマンで指導を受けるスタイル。時には世間話に花も咲く。最初の生徒だった市内在住の渡部フサ子さん(83)は「一緒に勉強できる仲間や先生がこんなに増えてうれしい」と笑顔を見せる。

 都内から参加する前川さんは「生涯学び続けたいと思う人が多いことを実感している。これからは夜間中学の普及など教育機会確保法の目的を実現していく仕事を現場でしていきたい」と話す。獣医学部新設問題を巡り、注目を集めた自身の告発行動への質問にも気軽に応じる。

 同法成立を受けて公立夜間中学校の新設を検討する動きが各自治体で出ている。岩井さんは「県内には横浜と川崎の2カ所にあるが、県央地域などからは遠い。近くにあれば通いたいという向学心のある方は多くいるはず」と県内3カ所目の設置を訴える。

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