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「原チャリ」も滅びゆく日本のガラパゴスか、規制強化で存続難しく

7/31(月) 6:00配信

Bloomberg

首都圏の台所、築地市場そばに店を構える堂故商店は乾物や冷凍魚介類を取り扱い、創業以来約30年にわたって銀座などの飲食店に送り届けてきた。それに欠かせないのが排気量50cc以下の原付1種バイクだ。

商店を経営する堂故博之さん(63)によると、店で使っているのはホンダの業務用3輪スクーター「ジャイロUP」。取り回しやすいサイズながら後部の大型荷台に30キロまでの荷物を積むことが可能で、「大きさ的にちょうどいいし良くできている。狭いところでも止めやすくて仕事には欠かせない」と話す。配達で横浜あたりまで行くことがある一方、目と鼻の先の市場との往復で狭い路地も走り回るなど大活躍しているという。

しかし、こうした光景は近い将来見られなくなるのかもしれない。ほぼ日本だけで普及する車両区分で「原チャリ」の愛称で親しまれてきた原付1種が世界的な排ガス規制強化の中で存続が難しくなり、主力メーカーが生産を打ち切る可能性が高まっているためだ。

ユーロ5の衝撃

業界国内首位と2位で長年ライバル関係にあったホンダとヤマハ発動機は昨年10月に提携検討を発表し、ヤマハ発は原付1種の自社開発と生産をやめ、ホンダからOEM(相手先ブランド生産)供給を受ける方向となった。ヤマハ発の柳弘之社長は6月のインタビューで、提携は排ガス規制のさらなる厳格化を見越した決断とした上で、開発コストの高騰などで規格そのものが存続できなくなる可能性について「そういうことになるかもしれない」と述べた。

国内二輪車の排出ガスについては、欧州規制基準「ユーロ4」に準じた規制が昨年から順次適用されている。ユーロ4では一酸化炭素や窒素酸化物などの規制値が従来の半分前後に抑えられる。9月からはそれが継続モデルに関しても適用されることになり、メーカーは対応を迫られている。

ホンダは8月に「モンキー」の生産を終了するほか、同社ウェブサイトでは「トゥデイ」など3モデルについて生産終了としている。安部典明二輪事業本部長は、現在の価格で新規制に対応することは「現実的でなくなった」という。これまで規制に何とか対応してきたものの、「技術的には限界にきていてお客さんが満足できるものにならなくなってきている」と決断の背景を明かした。

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最終更新:7/31(月) 6:00
Bloomberg