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佐藤浩市の息子 寛一郎が映画で証明した“名優三代の血脈”

8/1(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 話題の若手キャストが勢ぞろいした青春映画「心が叫びたがってるんだ。」が公開中。「べっぴんさん」の芳根京子(20)と人気グループSexy Zoneの中島健人(23)、佐藤浩市(56)を父に持つ寛一郎(20)らが共演する学園もので、2015年に公開されヒットした同名のアニメ映画を、「近キョリ恋愛」など青春ドラマを得意とする熊澤尚人監督が実写化した。気になる仕上がりはどうなのか、映画批評家の前田有一氏に聞いた。

「もともとアニメ版は、ファンタジー要素がない上に綿密なロケハンをした秩父の風景を描きこんで作られた現実味ある人間ドラマで、実写化に向いた原作でした。この実写映画版も秩父で撮影され、ストーリーもほぼ同じ。特筆すべきは若手キャストたちの抑制の利いた演技のアンサンブルで、思春期ならではの未熟ながら純粋な心の機微が表現され、原作以上にノスタルジックな感動を味わえると思います」

 地域の交流イベントの実行委員に任命された4人の高校生男女が、衝突を繰り返しながらも距離を縮め、出し物であるミュージカルの実現に向け奮闘する成長物語。それぞれトラウマや悩みを持つ4人には、他人とのコミュニケーションがうまくいかない共通項があり、その克服もテーマとなっている。父親の浮気にショックを受けて声を失ったヒロイン(芳根)に密かに思いを寄せる元野球部エースを、俳優デビューしたばかりの寛一郎が熱演する。

「寛一郎が演じる田崎大樹はひじの故障で野球部離脱を余儀なくされたキャプテン。夢破れたチームメートからは理不尽にも恨まれ、罪悪感に押しつぶされそうになっている少年です。その上、別の男子に片思いするヒロインに恋心を抱く、非常に複雑かつ重要な役どころなんですが、デビュー2作目の20歳とは思えぬ存在感で好演しています。インタビューなどでも役柄の解釈や演技方針をしっかり語るなど、さすが名優の血筋だと感心させられました」(前出の前田氏)

 祖父の三国連太郎に可愛がられ、その死をきっかけに役者への道を目指したといわれる3世俳優。血は水よりも濃し。日本映画界期待の星となりそうだ。