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「ゾウのはな子」初映画化で動物園の問題提起へ

8/1(火) 16:45配信

東スポWeb

 昨年、69年の生涯に幕を閉じた井の頭自然文化園(東京都武蔵野市)の人気者、アジアゾウのはな子が大スクリーンでよみがえる。同園に通い、はな子を撮影してきた動物ジャーナリストの佐藤栄記監督が、初公開の貴重映像とともにはな子の一生と知られざる真実に迫るドキュメンタリー映画「はな子さんからのメッセージ~こどくな象と白い鮭の一生~」が2日、東京・杉並の「座・高円寺2」で初上映される。

 1949年にタイから寄贈されると“戦後復興のシンボル”として親しまれたが、人を踏みつけて死なせてしまったことから鎖でつながれ閉じ込められた孤独な日々。死ぬ1年前には、狭いオリの中で生気なく立ち尽くす老いたはな子の姿が外国人観光客によって「劣悪な環境下のかわいそうなゾウ」としてSNSで拡散されたことも。

 佐藤監督は「(同園に)動物園のあり方について問題提起する形は避けられないと話したところ、責任者は『どうこう言う立場にないので好きに編集してください』と言ってくれた。同園は、広大なチューリッヒ動物園と航空写真で比較して、はな子さんのオリがどれほど狭かったかも検証している。動物園も昔とは変わってきているし、人間とその他の動物の共存共栄がもっと良い方向に向かうと確信した」という。

 はな子は来園以来、死ぬまでほかのゾウと触れ合うことなく独りぼっちだった。「東京の多くの家庭で、はな子さんをバックに撮った記念写真があるかもしれませんが、アルバムのはな子さんはお尻を向けていませんか?」と監督。雨水がたまらないように床が斜めに造られた運動場で61年もの間、4本脚で踏ん張っていたのだ。死後の解剖で前右脚が関節炎だったと判明したという。

 同作のほか、東京の失われゆく自然の中、もがき生きる希少生物らを定点観察した昨年公開の映画「PHANTOM PARADISE」も同時上映される。

最終更新:8/1(火) 16:45
東スポWeb